1:ホンダ エリシオン 新型とは?復活の背景と概要

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ホンダ・エリシオンという名を聞くと、多くのクルマ好きにとっては2000年代の高級ミニバンブームを思い出すことでしょう。2004年に日本市場で登場した初代エリシオンは、「走りのホンダ」が誇るプレミアムミニバンとして、快適性と走行性能を両立したモデルとして注目を集めました。しかし、国内ではオデッセイやステップワゴンなどの人気に押され、惜しまれつつも2013年に生産終了。その後、長らく名前が途絶えていた「エリシオン」が、2025年――中国市場で新型モデルとして復活を果たしたのです。
新型エリシオンを担当するのは、中国でホンダ車を展開する「東風ホンダ」。同社はアコードやCR-Vなど人気車種を現地生産しており、今回のエリシオンもその延長線上で「中国の高級志向に応える上位ミニバン」として開発されました。国内未販売ながらも、日本の自動車ファンやメディアの間では「エリシオン復活」のニュースが大きな話題となっています。
特筆すべきは、その存在意義です。新型エリシオンは、単なる過去モデルの焼き直しではなく、ホンダが次世代のミニバン市場に向けて掲げる新しい方向性――すなわち「静粛性」「上質感」「デジタル化」「電動化」の融合を象徴するモデルとして登場しました。全長約4951mm、全幅1842mm、全高1711mmという堂々としたサイズながら、最小回転半径は5.4mと取り回しにも優れ、都市部での実用性も考慮されています。
エクステリアには、近年のホンダデザインを象徴する「フライングウィング」型グリルと縦型エアインテークを採用し、重厚感と先進性を併せ持つフロントマスクが印象的です。サイドビューは伸びやかなキャラクターラインが強調され、高級セダンにも通じる品格を演出。従来のエリシオンの持つ「上品さ」と、最新のホンダ車が持つ「スポーティさ」を絶妙に融合しています。
パワートレインには、ホンダの誇るi-MMDハイブリッドシステムを搭載。エンジン出力145馬力、モーター出力183馬力という組み合わせにより、3つのモード(EV/ハイブリッド/エンジン直結)を自動で切り替えながら、静かで力強い走りを実現しています。WLTCモード燃費は約16.2km/L。大型ミニバンとしては優秀な数値であり、同クラスのトヨタ・アルファードハイブリッドと比較しても見劣りしません。
さらに、新型エリシオンの最大の魅力は「車内空間の贅沢さ」です。2列目には独立型のファーストクラスシートを採用し、アームレスト、レッグレスト、シートヒーターを完備。3列目シートにもヒーターを備えるなど、全乗員に快適性を提供する設計になっています。内装素材には高級レザーとキルティング加工を施し、まるで高級ホテルのような雰囲気を醸し出しています。
加えて、Hondaコネクト3.0の搭載により、車両はスマートフォンと常時接続。デジタルキーや音声アシスト、V2H(Vehicle to Home)機能、OTAアップデートにも対応し、「移動するスマートデバイス」としての完成度を高めています。
安全装備面でも、ホンダの最新「Honda SENSING スーパーセンシングシステム」を標準搭載。ACC(アダプティブクルーズコントロール)、CMBS(衝突軽減ブレーキ)、LKAS(車線維持支援システム)などを組み合わせ、レベル2の運転支援を実現しています。
中国市場ではすでに高級ミニバンとして高い評価を獲得しており、価格帯はおよそ516万円〜627万円。特に「ブラックエディション」仕様は、黒を基調とした内外装デザインが人気で、富裕層や企業向け送迎車としての需要も拡大しています。
日本国内ではまだ正式な導入発表はありませんが、「オデッセイより上位」「アルファード対抗」の位置づけでの登場を期待する声が高まっています。
ホンダが再び“上級ミニバン市場”に挑む日は、そう遠くないかもしれません。
2:外観デザインとボディサイズの特徴

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新型ホンダ・エリシオンの外観は、一目見ただけで「高級ミニバンの新時代」を感じさせる完成度に仕上がっています。
従来モデルの柔らかく流れるようなフォルムから一転し、2025年モデルではより堂々とした威厳と先進性を兼ね備えたデザインを採用。近年のホンダ車のトレンドでもある「フライングウィング」フロントグリルと、縦型の大型インテークがフロントマスクを構成し、見る者に強い印象を残します。
新フロントグリルと高級感あるエクステリア
新型エリシオンのデザインテーマは「エレガントとパワーの融合」。
フロントには、メッキを大胆にあしらったフライングウィング型グリルが採用され、中央のホンダエンブレムが光り輝く存在感を放ちます。縦型に並ぶエアインテークとLEDデイタイムランニングライトが組み合わさり、全体として立体的かつ重厚な印象を形成しています。
ヘッドライトは薄型LEDユニットを採用し、鋭く精悍な表情を演出。サイドに回り込むキャラクターラインはシャープで、ボンネットからドアパネルへと滑らかに流れ、視覚的な「伸びやかさ」と「安定感」を両立させています。
リアデザインでは、フル幅のLEDテールライトが採用され、光の帯が左右に広がることで横方向のワイド感を強調。高級セダンを思わせる静謐な佇まいの中に、ホンダらしいスポーティなDNAが息づいています。
ホイールはグレードにより異なり、上位モデルでは18インチアルミホイールを装備。切削加工によるツートーン仕上げがボディの質感と見事に調和し、停車時でも動きを感じさせる“ダイナミックフォルム”を実現しています。
また、ブラックエディションでは、クローム部分をブラックメッキに変更することで、より精悍で都会的な印象に仕上げられています。
さらに注目すべきは、空力性能を意識したボディ設計です。フロントバンパー下部やサイドスカート、リアディフューザーに至るまで、風の流れを最適化する形状を採用。見た目の美しさだけでなく、燃費性能や静粛性にも貢献しています。
このように、新型エリシオンは単なる“高級志向”ではなく、「機能美」を追求したエアロダイナミクスデザインによって、走行性能とデザイン性を高次元で融合させています。
ボディサイズ・寸法比較(旧型・オデッセイとの違い)
| モデル名 | 全長 | 全幅 | 全高 | 最小回転半径 |
|---|---|---|---|---|
| 新型エリシオン(2025) | 4,951mm | 1,842mm | 1,711mm | 5.4m |
| オデッセイ(日本仕様) | 4,865mm | 1,820mm | 1,695mm | 5.4m |
| 初代エリシオン(2004) | 4,845mm | 1,830mm | 1,790mm | 5.7m |
表を見てわかる通り、新型エリシオンは旧型や現行オデッセイに比べて全長が約10cm以上長く、全高はやや低めという特徴を持っています。これにより、ボディラインが伸びやかに見える一方で、室内の広さはさらに向上しています。最小回転半径5.4mという数値は、フルサイズミニバンとしては優秀であり、都市部でも扱いやすいサイズ感です。
外観のボリューム感とシャープなプロポーションを両立させることで、存在感はアルファードやヴェルファイアと同等。にもかかわらず、軽快さを感じさせるホンダらしいデザイン哲学が息づいています。
さらに、ルーフ形状は空力抵抗を抑える緩やかな傾斜を描き、リアピラーにはクロームラインを走らせることで上質感を演出。ボディカラーには「クリスタルブラックパール」「プラチナホワイトパール」「ディープシーブルー」などの落ち着いた高級系カラーがラインアップされています。
新型エリシオンは、見た目の印象だけでなく、寸法や構造にも明確な意図を持って設計された“完成度の高い高級ミニバン”です。
その存在は、単なる中国専売車にとどまらず、ホンダが世界の高級MPV市場に再び挑戦する象徴的モデルといえるでしょう。
3:パワートレインと走行性能

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ホンダ・エリシオン新型の大きな魅力のひとつが、最新世代のハイブリッドシステム「i-MMD(Intelligent Multi-Mode Drive)」を採用している点です。
このシステムは、ホンダが長年培ってきたハイブリッド技術の集大成ともいえるもので、電気モーターとガソリンエンジンを最も効率的に使い分ける知能的制御を特徴としています。
i-MMDデュアルモーターの仕組みと性能
新型エリシオンに搭載されるi-MMDハイブリッドは、2モーター方式のハイブリッドシステム。
ひとつは駆動用モーター、もうひとつは発電専用モーターという構成で、走行状態に応じて自動的に「EVモード」「ハイブリッド走行モード」「エンジン直結モード」を切り替えます。
このシステムによって、エンジンは常に効率の良い回転域で作動し、低速から高速までスムーズで力強い加速を実現。都市部ではモーター主体で静かに走り、高速道路ではエンジン直結によるダイレクトな走行フィールを発揮します。
スペックとしては、
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エンジン出力:145馬力(最大トルク175Nm)
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モーター出力:183馬力(最大トルク315Nm)
という強力なパワーを発揮。
特にモーターの高トルク性能により、発進からの加速感は3.0Lクラスのガソリン車に匹敵すると言われています。
このシステムはすでにホンダ・アコードやCR-Vなどで高い評価を得ており、エリシオンではその最適化版が採用されています。
大柄なボディでありながら、アクセルを踏み込むと滑らかで瞬発力のある加速を味わえる――まさに「静かに速い」高級ミニバンです。
燃費性能と静粛性のバランス
新型エリシオンの燃費性能は、WLTCモードで約16.2km/L(6.17L/100km)と公表されています。
この数値は同クラスのトヨタ・アルファードハイブリッド(約15km/L前後)を上回る実力であり、ホンダの電動化技術が確実に進化していることを示しています。
特筆すべきは、燃費だけでなく静粛性と乗り心地の両立にあります。
EV走行時はエンジンを停止し、モーターのみで走行するため、街中ではほとんど無音。エンジンが始動する際も、遮音材の強化とボディ剛性の向上により、振動やノイズを最小限に抑えています。
また、ホンダ独自の「アクティブノイズコントロール」技術を採用。
車内にマイクを設置し、走行中に発生する不要な低周波音をリアルタイムで検知・打ち消すことで、まるで高級セダンのような静けさを実現しています。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク式で、しなやかさと安定性を両立。
長距離ドライブでも疲れにくく、2列目・3列目の乗員も快適に過ごせるよう設計されています。
さらに、ホンダのドライブモードセレクターにより、走行シーンに合わせて「NORMAL」「SPORT」「ECON」モードを選択可能。
EVモードと組み合わせることで、ドライバーの意図に忠実に反応する多彩な走りが楽しめます。
静粛な走りと力強さが共存する「上質な移動体験」
ホンダ エリシオン新型が目指したのは、単なる“高燃費ミニバン”ではなく、走りの質そのものを極めた高級車です。
アクセル操作に対するレスポンスは極めて自然で、加速のリニア感は高級EVに近い感覚を与えます。エンジンとモーターの切り替えも滑らかで、一般的なハイブリッド車にありがちな「切り替わりの違和感」をほとんど感じさせません。
ホンダが誇る「人間中心設計思想(Man Maximum, Machine Minimum)」をベースに、運転者の動作に対して即座に反応するパワートレインは、長距離走行でもストレスを感じさせない完成度を実現しています。
このように、新型エリシオンは「静粛で上質」「力強く快適」――その両立を極めたミニバン。
ファミリーカーとしての実用性と、ラグジュアリーカーとしての乗り心地を同時に叶える、ホンダの技術力の結晶といえるでしょう。
4:インテリアと快適装備の進化

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新型ホンダ・エリシオンの室内に足を踏み入れた瞬間、最初に感じるのは「高級ホテルのような上質さ」です。
シートの質感、照明の柔らかさ、静粛性――そのすべてが、従来のミニバンの枠を超えたプレミアムな空間を演出しています。
ホンダはこのモデルで、“家族で移動するクルマ”から“くつろぎながら移動するラウンジ”へとコンセプトを進化させました。
2列目ファーストクラスシートの魅力
新型エリシオンの真価は、まさにこの2列目にあります。
独立型のキャプテンシートは、厚みのある本革レザーに加えて、アームレスト・レッグレスト・シートヒーターを標準装備。
ヘッドレスト部分には柔らかな低反発素材を採用し、長距離ドライブでも快適な姿勢を維持できます。
また、電動リクライニングとオットマンの動作が連動し、ワンタッチで“リクライニングポジション”に変化。
飛行機のファーストクラスのように足を伸ばしてくつろげるこのシートこそが、新型エリシオンが「走るリビングルーム」と呼ばれる理由です。
シートヒーターに加え、ベンチレーション(送風)機能も搭載されており、冬も夏も常に最適な温度を保てる仕様となっています。
さらに、2列目の中央にはスマートフォンやタブレットを充電できるType-Cポートやワイヤレス充電トレイも完備。
USBポートの配置も実用的で、長距離旅行時の快適性が格段に向上しています。
3列目シートも決して“補助席”ではなく、シートヒーターと十分な厚みを持つ設計。3列目でも快適に過ごせる点は、ライバルであるアルファードと並ぶ上位レベルです。
Hondaコネクト3.0の最新機能
新型エリシオンは、ホンダ最新のデジタルプラットフォーム「Honda CONNECT 3.0」を採用しています。
このシステムは単なるナビゲーション機能にとどまらず、車全体を“クラウドとつながるデバイス”へと進化させるものです。
主な機能は以下の通りです:
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デジタルキー対応:スマートフォンをキーとして使用可能。離れた場所からドアロックやエンジン始動も操作できます。
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音声アシスト:自然な会話でナビやエアコン操作が可能。「寒い」と言えば温度を上げてくれるレベルの認識精度。
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インテリジェントナビ:クラウドと連携し、リアルタイムの交通情報を基に最短ルートを提案。
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OTAアップデート:ソフトウェア更新を自動で実行し、常に最新機能を維持。
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V2H対応:車の電力を家庭に供給することで、災害時の電源確保も可能。
これらの機能により、新型エリシオンは単なる“移動手段”ではなく、“走るスマートデバイス”へと進化しました。
また、運転席のインフォテインメントディスプレイは12インチクラスの大型パネルを採用。メータークラスターもフルデジタル化され、視認性・操作性ともに飛躍的に向上しています。
ブラックエディション仕様の上質デザイン
2025年モデルの目玉のひとつが、「ブラックエディション」の設定です。
インテリア全体をブラックレザーとグロスブラックパネルで統一し、金属調アクセントを控えめにあしらうことで、洗練された“大人の高級感”を演出。
通常モデルが明るく柔らかい雰囲気なのに対し、ブラックエディションは静謐で引き締まった印象を与えます。
さらに、アンビエントライトがドアパネルやセンターコンソールに配置され、夜間走行時にはほのかに室内を照らします。
この控えめな照明が、乗る人すべてに「安心と非日常感」をもたらすのです。
シートにはキルティング加工が施され、ステッチの一本一本にまで高級感が漂います。
まさに、“ホンダ版エグゼクティブラウンジ”ともいえる完成度です。
新型エリシオンのインテリアは、単なる装飾の美しさではなく、「人がどう過ごすか」に徹底的にフォーカスされています。
移動そのものを贅沢に楽しむ――それが、この車の設計思想です。
そしてその思想こそが、ホンダが次の時代に送り出すミニバンの“新たな基準”といえるでしょう。
5:安全装備と運転支援システム

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新型ホンダ・エリシオンは、家族を乗せる“プレミアムミニバン”として、安全性と先進技術の融合を徹底的に追求しています。
単に「安全装備が充実している」というレベルではなく、ドライバーと車が協調して走る――“共に判断し、共に守る”という新時代の運転体験を実現しています。
Honda SENSING スーパーセンシングの内容
新型エリシオンに搭載される「Honda SENSING スーパーセンシングシステム」は、従来のHonda SENSINGをさらに強化した最新版です。
前方カメラとミリ波レーダー、さらには車両の周囲360°をカバーするマルチビューカメラを組み合わせ、状況認識能力を飛躍的に向上させています。
主な機能は以下の通りです👇
| 機能名 | 内容 |
|---|---|
| ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール) | 前走車との距離を自動調整しながら速度を維持。渋滞時には自動停止・再発進も可能。 |
| LKAS(車線維持支援システム) | 高速走行時に車線の中央を維持するようステアリングをアシスト。 |
| CMBS(衝突軽減ブレーキ) | 前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険がある場合に自動でブレーキを作動。 |
| RDM(路外逸脱抑制機能) | 車線からの逸脱を検知し、ステアリングとブレーキで補正。 |
| LCC(車線中央制御) | 高速道路などで常に車線中央を維持する高度な制御。 |
| TSR(標識認識機能) | 制限速度や進入禁止などの標識をカメラが自動で読み取り、メーターに表示。 |
| 誤発進抑制機能 | ペダル踏み間違いによる急発進を防止。特に駐車場などで効果的。 |
これらの機能が組み合わさることで、ドライバーの運転を常にサポート。
とくにACCとLKASの連携により、レベル2相当の運転支援を実現しています。
つまり、高速道路での一定条件下では、アクセル・ブレーキ・ハンドル操作をシステムが自動で行い、ドライバーは“見守るだけ”の運転が可能になります。
このレベルの安全支援を標準装備しているミニバンは、現在でも限られた存在。
ホンダはこの分野において、アルファードやヴェルファイアなど競合を明確にリードしています。
駐車支援とドライバーアシストの進化
大型ミニバンの課題として多くのユーザーが挙げるのが「駐車のしづらさ」。
その点、新型エリシオンはまさに“ドライバーの味方”です。
360°全周囲モニターに加えて、パーキングアシスト機能を標準装備。
車が自動でハンドル操作を行い、ドライバーはアクセルとブレーキだけで安全に駐車が可能です。
車庫入れだけでなく、縦列駐車や出庫時のステアリング補助にも対応しており、狭い駐車場でもストレスなく操作できます。
また、**リアクロストラフィックアラート(後方通過車両警報)**も搭載されており、後退時に左右から接近する車両を検知して警告。
バックカメラに頼らずとも、システムが危険を予測してドライバーに知らせてくれます。
さらに、夜間走行ではアダプティブハイビームが威力を発揮。
対向車を検知すると自動的にハイビームを制御し、視認性を確保しつつ他車への眩惑を防ぎます。
ホンダの「予防安全哲学」とユーザー信頼性
ホンダは創業以来、「事故ゼロ社会」の実現を掲げています。
新型エリシオンにもその理念が深く息づいており、単に“守る”だけでなく、“危険を未然に防ぐ”という発想で開発されています。
この安全思想は、車両制御だけでなくドライバー教育支援にも及んでおり、エリシオンではHonda CONNECT経由で運転データを分析し、ブレーキやハンドル操作の癖を可視化する「ドライビングアドバイス機能」も導入されています。
これにより、ドライバー自身が安全運転を意識し、事故を減らす仕組みを実現。
つまり、新型エリシオンは“守る車”ではなく、“学ぶ車”。
乗るたびに安全性と運転スキルを高める「共進化型ミニバン」と言えるのです。
このように、ホンダ・エリシオン新型は「安全装備=安心感」にとどまらず、人と車が協調して未来を走るパートナーとして進化しています。
家族を乗せるミニバンだからこそ、最も信頼できる安全技術を――その理念がすべての装備に込められています。
6:グレード・価格・装備一覧

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新型ホンダ・エリシオン(2025年モデル)は、中国市場専売として発表されましたが、その完成度はもはやグローバルクラス。
ホンダの中国合弁企業「東風ホンダ(Dongfeng Honda)」が製造・販売を手がけ、高級ミニバン市場の最上位モデルとして位置づけられています。
2025年現在、エリシオン新型のラインナップは以下の4グレード構成となっています。
グレード構成と価格一覧
| グレード名 | 価格(中国人民元) | 日本円換算(概算) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| エリシオン・ハイブリッド 2.0L 豪華版 | 249,800元 | 約516万円 | ベースモデル。i-MMD搭載、主要安全装備完備。 |
| エリシオン・ハイブリッド 2.0L 尊貴版 | 268,800元 | 約555万円 | 本革内装、電動スライドドア、Honda CONNECT搭載。 |
| エリシオン・ハイブリッド 2.0L 旗舰版(フラッグシップ) | 285,800元 | 約590万円 | 専用18インチホイール、電動2列目キャプテンシート装備。 |
| エリシオン・ハイブリッド 2.0L ブラックエディション | 303,800元 | 約627万円 | 特別仕様。内外装ブラック化、上級レザー&アンビエントライト標準。 |
※為替レート:1元=約20.6円(2025年11月時点換算)
装備比較と特徴
1️⃣ 豪華版(スタンダード)
ベースグレードながら、Honda SENSING スーパーセンシングを標準装備し、運転支援機能は最上位モデルと同等。
外観はクローム加飾が控えめで、上品で落ち着いた印象。
「必要十分な高級ミニバン」として、コストパフォーマンスに優れる。
2️⃣ 尊貴版(ミドルグレード)
ファミリーユースを意識した人気グレード。
両側電動スライドドア、本革シート、デジタルキーなど利便装備を標準化。
価格と装備のバランスが最も良く、実質的な“売れ筋グレード”。
3️⃣ 旗舰版(フラッグシップ)
上級グレードとして、2列目キャプテンシートの電動化、シートヒーター&ベンチレーション、後席独立エアコンなどを装備。
アルファード・エグゼクティブラウンジにも匹敵する快適性を誇る。
外観では18インチホイールとクロームモールが強調され、存在感が際立つ。
4️⃣ ブラックエディション(特別仕様)
最上位グレード。
内外装をブラックで統一し、上質さとスポーティさを融合。
アンビエントライト、専用レザー、ピアノブラックパネル、専用バッジなど特別装備が多数。
価格帯は高いものの、デザイン・快適性ともに完成度が極めて高い。
おすすめグレードと選び方
もし「家族で快適に乗る」ことを重視するなら、**尊貴版(ミドルグレード)**が最もバランスが取れています。
最新のコネクト機能や安全装備がすべて揃い、価格も抑えめ。
“ファミリーラグジュアリー”というコンセプトには最適です。
一方、フラッグシップ/ブラックエディションは、経営者やVIP送迎用途に向くグレード。
2列目の快適性、内装の質感、静粛性すべてが最高水準で、「移動のストレスを感じないクルマ」を求める層におすすめです。
価格帯と競合比較
同クラスで競合するのは、
-
トヨタ・アルファード(約540万円〜720万円)
-
レクサスLM(約900万円〜1200万円)
-
BYD D9(約480万円〜600万円)
これらと比較しても、新型エリシオンは**価格と装備のバランスに優れた“戦略的高級ミニバン”**です。
特に、同価格帯のモデルと比べても安全性能と快適装備が充実しており、コストパフォーマンスの高さが際立っています。
まとめ
新型ホンダ・エリシオンは、
-
価格帯:約516〜627万円
-
グレード数:4種
-
すべてハイブリッド+Honda SENSING搭載
-
2列目シートが全モデルで高級仕様
という構成で、ホンダが中国市場に送り出した“次世代ミニバンの決定版”といえる存在です。
価格以上の満足感を得られる仕上がりであり、今後日本導入が実現すれば、再び「高級ミニバン市場の風雲児」となる可能性は十分にあります。
7:日本発売の可能性と市場動向

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2025年に中国市場で発表された新型ホンダ・エリシオン。
そのニュースが伝わるやいなや、日本の自動車ファンやミニバン愛好家の間で大きな話題となりました。
SNSや掲示板では「日本でも復活してほしい」「オデッセイの上位モデルとして出るのでは?」といった声が相次いでいます。
果たして――エリシオンの日本再上陸はあり得るのか?
ここでは、ホンダの現行ラインナップと市場戦略を踏まえ、その可能性を冷静に分析していきます。
現時点での公式見解
2025年11月現在、ホンダから日本市場への導入に関する正式発表はありません。
新型エリシオンは「東風ホンダ(中国)」の専売モデルであり、日本国内ではラインナップに含まれていません。
しかし、ここには重要な背景があります。
ホンダは2022年以降、「国内ミニバン事業の再構築」を進めており、オデッセイやステップワゴンなどを中心に“再電動化”を推進しています。
特に2024年のオデッセイ改良型の復活以降、上級ミニバンへの需要が再び高まり、ホンダ社内でも「高級ミニバン市場への再参入」が中長期的課題として議論されています。
したがって、現時点で“日本仕様のエリシオン”が存在しなくとも、市場の反応次第で導入検討が始まる可能性は十分にあると言えます。
日本市場での導入課題
日本導入の可能性を考えるうえで、技術的・戦略的に3つの課題が挙げられます。
1️⃣ 生産拠点の問題
現在のエリシオンは中国・武漢工場で生産されており、日本向けモデルを輸出するには右ハンドル仕様の開発と品質認証が必要。
これはコストと時間を要するため、採算性の壁があります。
2️⃣ オデッセイとのポジショニング
オデッセイが2024年に再販され、国内では「高級志向のファミリーミニバン」として再び注目を集めています。
その上位にエリシオンを導入する場合、ブランド間の明確な棲み分けが必要です。
たとえば、オデッセイ=スポーティ&ファミリー、エリシオン=ラグジュアリー&VIP志向、といった住み分け戦略が求められます。
3️⃣ 価格帯の調整
中国仕様の価格(約516〜627万円)を日本で展開した場合、輸入コストを考慮すると700万円近くになる可能性もあります。
この価格帯ではアルファードやレクサスLMと競合するため、「ホンダらしい価値提案(走り・技術・快適性)」を明確に打ち出す必要があります。
市場動向とホンダの再挑戦の兆し
とはいえ、ホンダが上級ミニバン市場から完全に撤退したわけではありません。
むしろ近年、次のような動きから「再挑戦の兆し」が見え始めています。
-
① オデッセイ復活(2024年)
国内需要の回復を受けて生産再開。これにより上級ミニバン市場への“足がかり”を再び確保。 -
② 電動化戦略の強化
ホンダは2030年までに「全モデル電動化」を宣言。
エリシオンのi-MMDハイブリッドは、この方針と完全に一致するモデルです。 -
③ 中国モデルのグローバル展開傾向
近年ホンダは、中国開発車を他市場へ横展開するケースを増やしています(例:ZR-VやCR-V e:HEV)。
この流れを踏まえると、エリシオンが東南アジア・日本へ展開される可能性も十分に考えられます。
こうした動向を総合的に見ると、**日本導入の可能性は「低くはない」**と判断できます。
特にオデッセイとアルファードの間に存在する“上質ミニバン層”を狙うモデルとして、エリシオンはホンダにとって非常に戦略的な存在なのです。
ファンと市場の期待
国内では、既存オデッセイオーナーやファミリー層を中心に「もう一度エリシオンに乗りたい」という声が根強くあります。
ホンダ独自の“走る快適性”を備えた高級ミニバンを求める声は、SNSやYouTubeのレビューコメントでも数多く確認できます。
さらに、ホンダのミニバンに共通する「走りの質」や「静粛性」を求める層にとって、エリシオンはまさに“待望の復活モデル”。
このようなユーザーの期待が高まれば、ホンダが市場テストとして限定輸入やコンセプト発表を行う可能性もあります。
🔍まとめ
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現時点では日本導入の公式発表なし
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ただし、電動化・再上級化戦略との整合性が高く、導入の可能性は中期的に十分あり
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オデッセイとの共存が課題だが、ポジショニングを明確にすれば実現可能
-
日本市場での再登場が実現すれば、“走りのホンダ”が高級ミニバン市場に再び旋風を巻き起こすだろう
8:まとめ(要点リスト15項目)
1️⃣ 新型ホンダ・エリシオンは2025年夏、中国の東風ホンダから登場。
大幅改良モデルとして再登場し、現地では高級ミニバン市場をリード。
2️⃣ 日本市場では未発売だが、注目度は非常に高い。
「オデッセイの上位モデル」として復活を望む声が多数。
3️⃣ 全長4,951mm・全幅1,842mm・全高1,711mmの堂々たるボディ。
取り回しを考慮した最小回転半径5.4mで都市部でも扱いやすい。
4️⃣ デザインは“フライングウィング”型フロントグリルを採用。
縦型グリルとLEDデイライトが高級感と先進性を演出。
5️⃣ パワートレインはi-MMDハイブリッドを搭載。
エンジン145馬力+モーター183馬力のハイブリッドシステムで力強い加速。
6️⃣ 3つの走行モード(EV/ハイブリッド/エンジン直結)を自動制御。
静粛性と燃費性能を両立。WLTCモード燃費は約16.2km/L。
7️⃣ インテリアは高級ホテルのような上質空間。
2列目ファーストクラスシートにレッグレスト・シートヒーター・ベンチレーションを標準装備。
8️⃣ Honda CONNECT 3.0で“走るスマートデバイス”化。
デジタルキー、音声アシスト、OTAアップデート、V2Hなど最新機能を搭載。
9️⃣ 安全面では「Honda SENSING スーパーセンシング」を全車標準装備。
ACCやCMBS、LKASなどによりレベル2相当の運転支援を実現。
10️⃣ 駐車支援機能も充実。
360°全周囲カメラとパーキングアシストで大型車でも安心。
11️⃣ グレードは4種類、価格は約516万円〜627万円。
ブラックエディションは特別仕様で、デザインと装備の完成度が最高レベル。
12️⃣ 競合はアルファード、レクサスLM、BYD D9など。
価格と装備のバランスに優れ、コストパフォーマンスの高さが魅力。
13️⃣ 日本導入の公式発表は現時点でなし。
ただし、電動化戦略や市場需要との整合性が高く、将来的な導入可能性あり。
14️⃣ オデッセイ復活で上級ミニバン市場再構築の流れ。
ホンダが再び高級ミニバン分野に挑戦する布石と見られる。
15️⃣ “静かに、上質に、力強く”――新型エリシオンはホンダの哲学の結晶。
次世代のプレミアムミニバンとして、走りと快適性を高次元で融合している。
💡要約
新型ホンダ・エリシオンは、中国市場で進化を遂げた次世代プレミアムミニバン。
ハイブリッドの力強さ、上質な内装、安全性能の高さを兼ね備え、ホンダの“再挑戦”を象徴するモデルです。
日本導入の可能性も十分にあり、今後の展開に注目が集まります。
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