こんにちは。車の広場 運営者のヨコアキです。
かつて「ボーイズレーサー」として一世を風靡したあの名前を、最近ニュースやSNSで目にする機会が増えたと感じませんか?そうです、トヨタの「スターレット」です。実は今、インターネット上では南アフリカですでに登場したSUVタイプの「スターレットクロス」や、日本での復活が熱望されているスポーツモデル「GRスターレット」に関する情報が飛び交っています。往年の「かっ飛びスターレット」や「グランツァV」を知る世代としては、新型スターレットの発売日がいつになるのか、また価格や値段はいくらくらいになるのか、気になって夜も眠れないのではないでしょうか。特に走り好きの方にとっては、噂されている1.3LターボエンジンやMTの設定があるのかどうかが、購入を検討する上で非常に重要なポイントになるはずです。
しかし、ネット上の情報は「SUVが出るらしい」「いやスポーツカーだ」と錯綜しており、何が真実なのか分かりにくくなっています。そこで今回は、そんな噂の真相を、車好きの視点で徹底的に整理し、分かりやすく解説していきます。
この記事でわかること
- 南アフリカで先行登場したSUV「スターレットクロス」と噂の「GRスターレット」の決定的な違い
- WRC直系?GRスターレットに搭載されると噂の1.3Lターボエンジンのスペック詳細
- 強力なライバルとなるスズキ・スイフトスポーツと新型スターレットの徹底比較
- 2026年頃と予想される発売時期や、若者でも手が届くのか気になる価格帯に関する最新情報
南ア発のSUVと噂のGR?新型スターレットの全貌

まず最初に、情報を整理するために絶対に押さえておきたいポイントがあります。それは、現在「新型スターレット」として語られている車には、全く異なる2つのモデルが存在するという点です。ここを混同してしまうと、「スターレットがSUVになってしまったの?」「いや、スポーツカーとして復活するらしい」と話が噛み合わなくなってしまいます。
一つは、南アフリカなどの海外市場ですでに展開されている実用的なコンパクトSUV。そしてもう一つは、日本の車好きが待ち望んでいる、GRブランドによる生粋のスポーツモデルです。まずは、すでに実車が存在し、海外で販売されているモデルの情報から詳しく見ていきましょう。
日本発売はある?スターレットクロスの最新情報
南アフリカで2024年から2025年にかけて大きな話題になっているのが、「スターレット クロス」というモデルです。「スターレット」という懐かしい名前に「クロス」が付いていることから想像できるように、これは流行のクロスオーバーSUVスタイルを採用しています。
名前を聞くと「日本でも発売されるの?」と期待してしまいますが、実はこの車、純粋なトヨタ開発の車ではありません。トヨタとスズキの資本提携に基づき、スズキがインドで生産している世界戦略車「フロンクス(Fronx)」をベースにしたOEM(相手先ブランド供給)車なのです。トヨタはアフリカ市場において圧倒的なブランド力を持っていますが、小型車のラインナップを強化するために、スズキの得意とするコンパクトカーの供給を受けています。「スターレット」という名称が使われているのも、かつて日本から輸出されていた中古車などで現地での知名度が高く、親しみやすい名前だったからだと言われています。
現状では、スターレットクロスの日本導入が決定したというトヨタからの公式情報はありません。
では、日本での発売の可能性はあるのでしょうか?個人的な見解としては、「可能性は低いがゼロではない」といったところです。なぜなら、日本ではすでにベース車両である本家のスズキ「フロンクス」が正規導入されているからです。全く同じセグメントに、中身がほぼ同じ車をトヨタブランドで投入することは、あからさまな「カニバリズム(共食い)」を引き起こしてしまいます。
さらに、トヨタの国内ラインナップには、大ヒットしている5ナンバーSUVの「ライズ」や、少し大きい「ヤリスクロス」がすでに存在し、盤石の体制を築いています。ここにわざわざスターレットクロスをねじ込む隙間は少ないように思えます。ただし、ダイハツの認証不正問題の影響でライズの生産が不安定になった際のような緊急時には、スズキ製のOEM車をラインナップに加えてリスクヘッジを図るというシナリオも、経営戦略としては考えられなくはありません。
3ナンバー化したボディサイズとデザインの特徴
では、このスターレットクロス、具体的にどんな車なのでしょうか。サイズ感を見てみると、非常に興味深い特徴があります。全長は3,995mmと4メートルを切るコンパクトさでありながら、全幅は1,765mmもあるのです。これは日本でいうと完全に3ナンバーサイズになります。
日本の5ナンバー枠(全幅1,700mm未満)を守っているトヨタ「ライズ」と比較すると、そのプロポーションの違いがよく分かります。
| 車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
|---|---|---|---|---|
| スターレットクロス | 3,995mm | 1,765mm | 1,550mm | 2,520mm |
| スズキ フロンクス | 3,995mm | 1,765mm | 1,550mm | 2,520mm |
| トヨタ ライズ | 3,995mm | 1,695mm | 1,620mm | 2,525mm |
ライズが「少し背が高くて細長い」実用的な形をしているのに対し、スターレットクロス(およびフロンクス)は「幅広で背が低い」、いわゆるワイド&ローのスタイリッシュな形状をしています。全高1,550mmというのは、日本の一般的な立体駐車場の高さ制限に収まる数値であり、都市部での使い勝手は非常に良いでしょう。
デザインに関しては、OEM元のフロンクスとは明確に差別化されています。フロントマスクは、RAV4やカローラクロスといったトヨタのSUVファミリーとの共通性を感じさせる、台形の大型グリルを採用しています。ヘッドライト周りの処理もトヨタらしいシャープな「キーンルック」風にアレンジされており、リアには左右のテールランプを一直線に繋いだLEDストリップが装備されています。これにより、コンパクトカーながらクラスを超えた高級感と存在感を放っており、個人的には「ミニRAV4」といった雰囲気でかなりカッコイイ仕上がりになっていると思います。
スターレットクロスの内装と質感をチェック

内装については、基本的にはベースとなっているスズキ・フロンクスのデザインやレイアウトをそのまま受け継いでいます。しかし、それは決して悪いことではありません。近年のスズキ車の内装品質は飛躍的に向上しており、スターレットクロスもその恩恵を受けています。
ダッシュボード中央には、視認性の良い大型の9インチディスプレイオーディオが鎮座しており、Apple CarPlayやAndroid Autoといったスマートフォンの連携機能もしっかり備えています。また、上級グレードにはヘッドアップディスプレイや360度ビューカメラといった、ひと昔前なら高級車にしか付いていなかったような先進装備も採用されています。
こだわりのカラーコーディネート
特筆すべきは内装色です。南アフリカ仕様では、ブラックを基調としつつ、ダッシュボードやドアトリム、シートの一部に深みのある「ボルドー(ワインレッド)」や「チャコール」といったアクセントカラーを組み合わせたコーディネートが用意されています。これにより、プラスチック感の出やすいコンパクトカーの内装に、大人の色気と上質感をプラスすることに成功しています。
後席の居住性についても、2,520mmという比較的長いホイールベースのおかげで、足元空間には余裕があります。クーペ風のルーフラインですが、頭上空間も身長180cm級の人でなければ窮屈さは感じないでしょう。荷室容量も日常使いには十分なレベルを確保しており、デザイン優先に見えて実は実用性もしっかり考えられたパッケージングだと言えます。
気になる燃費性能とエンジンスペックを解説
車の心臓部であるエンジンについても見ていきましょう。南アフリカ仕様のスターレットクロスに搭載されているパワートレインは、信頼性と耐久性を重視した構成になっています。
採用されているのは、スズキ製の定評ある「K15B型」1.5L 直列4気筒自然吸気(NA)ガソリンエンジンです。最新のハイブリッドシステムやターボチャージャーは搭載されておらず、非常にシンプルなスペックとなっています。
| エンジン形式 | 1.5L 直列4気筒 NA (K15B) |
|---|---|
| 最高出力 | 77kW (約103馬力) / 6,000rpm |
| 最大トルク | 138Nm / 4,400rpm |
| トランスミッション | 5速MT / 4速AT |
| 燃費 (公表値) | 約17.0km/L 前後 |
「えっ、4速AT?」と驚く方もいるかもしれませんが、新興国市場ではメンテナンスのしやすさやコストダウンの観点から、枯れた技術である4速ATが現役で活躍しているのです。一方で、日本の車好きとして見逃せないのが5速MT(マニュアル)の設定があることです。
1トンそこそこの軽量なボディを、素直な出力特性を持つNAエンジンとマニュアルミッションで操る。これは、速さこそありませんが、車との対話を楽しめる「原点回帰」のような楽しさがあるはずです。燃費についても、ハイブリッドには及びませんが、軽量ボディのおかげでリッター17km前後(現地公表値)と、経済的な数値をマークしています。もし日本に導入されるなら、このMT仕様だけでも限定販売してほしいと思うのは私だけでしょうか。
新型スターレットの発売日はいつになるか予想
さて、この魅力的な「スターレットクロス」ですが、肝心の日本発売日はいつになるのでしょうか。前述の通り、現時点では導入のアナウンスは一切ありません。
もし仮に導入されるとしても、いくつかの高いハードルを越える必要があります。まず、日本の厳しい排ガス規制や騒音規制、そして義務化されている先進安全運転支援システム(ADAS)への適合です。これらをクリアするために改修を行うとコストが跳ね上がり、「安くて良い車」というスターレットの魅力が薄れてしまう可能性があります。
一つのシナリオとしては、ベース車のフロンクスが日本で爆発的にヒットし、「トヨタ版も欲しい」という市場の声が高まった場合、あるいはダイハツ製コンパクトカーの供給に長期的な問題が生じた場合の「ピンチヒッター」としての投入が考えられます。その場合でも、時期としては早くても2025年後半以降になるでしょう。しかし、基本的には「スターレットクロスは海外で活躍する日本車」として、遠くから応援するのが現実的かなと思います。
私たちが本当に日本での発売を期待し、貯金をして待つべきなのは、次章で詳しく解説する「GRスターレット」の方かもしれません。
1.3Lターボ搭載か?GR版新型スターレットの性能

ここからは、走り好きの皆さんが一番気になっているであろう「GRスターレット」の噂について、深掘りしていきます。こちらは先ほどのクロスオーバーSUVとは異なり、トヨタのモータースポーツ部門である「TOYOTA GAZOO Racing(TGR)」が手掛ける、生粋のコンパクトスポーツハッチとして開発されているという情報が非常に有力です。
「なぜ今、スターレット復活なのか?」と思われるかもしれません。その背景には、トヨタが世界中で戦っているWRC(世界ラリー選手権)の事情が深く関わっています。トヨタは現在、若手ドライバーを育成するための「Rally4」というカテゴリーに参戦するための、最適なベース車両を自社ラインナップに持っていません。そのため、育成プログラムでは他メーカーの車両(ルノー・クリオ Rally4など)を使用せざるを得ない状況にあります。
「自社の若手ドライバーを、自社の車で育てたい」。そんなトヨタの熱い想いが、Rally4規定に合致したコンパクトスポーツ、すなわちGRスターレットの開発を後押ししているのです。これは単なる噂ではなく、モータースポーツの現場からの切実なニーズに基づいたプロジェクトと言えるでしょう。
(出典:TOYOTA GAZOO Racing『WRCチャレンジプログラム』)
150馬力のターボエンジン詳細とスペック

GRスターレットに関するスクープ情報の中で、最も注目を集めているのがその心臓部です。現在、GRヤリスやGRカローラには1.6Lの3気筒ターボエンジン(G16E-GTS)が搭載されていますが、新型スターレットには、これをダウンサイジングした新開発の1.3L 直列3気筒ターボエンジンが搭載されると言われています。
これには明確な理由があります。FIA(国際自動車連盟)が定める「Rally4」クラスの車両規定において、ターボエンジン搭載車は排気量が1,333cc以下(補正係数考慮)に制限されているためです。この規定に合わせるために、あえて1.3Lという排気量が選ばれていると推測されます。
予想されるスペックは、最高出力が150馬力、最大トルクが約220Nm(22.5kgf・m)です。「GRヤリスの300馬力に比べると半分か…」とがっかりしないでください。この車の真骨頂は「軽さ」にあります。車両重量はなんと980kg前後を目指して開発されているそうです。
1トンを切る軽量ボディに、低回転からトルクが立ち上がる最新のターボエンジン。パワーウェイトレシオは約6.5kg/psとなり、これは往年の名車たちや、現行のライトウェイトスポーツカーに匹敵する数値です。絶対的な速さよりも、アクセルを踏んだ瞬間に車が前に出るレスポンスの良さや、ひらひらとコーナーを駆け抜ける軽快感が最大の魅力になるはずです。
待望のMT設定はある?トランスミッション情報

スポーツカー好きとしてエンジンと同じくらい気になるのがトランスミッションですが、安心してください。こちらは6速MT(マニュアル)の設定がほぼ確実視されています。電動化の波でMT車が次々と消えていく中、新たにMTのスポーツカーを開発してくれるトヨタの姿勢には頭が下がります。
さらに注目なのが、GRヤリスのマイナーチェンジで投入された「8速DAT(GR-DAT)」と呼ばれる高性能なオートマチックトランスミッションも設定される可能性が高いという点です。これは従来のATとは異なり、プロドライバーの変速タイミングを学習した制御により、MT顔負けのスポーツ走行を可能にするものです。
ドライビング環境へのこだわり
また、ラリー競技のベース車として開発される以上、内装も「走りの機能」を優先したものになるでしょう。例えば、サイドブレーキは電子式のスイッチではなく、ジムカーナやラリーでのターンを容易にするための手引き式(レバー式)が採用されることが期待されます。ペダル配置もヒール・アンド・トウがしやすいように最適化されるなど、ドライバーが運転に没頭できるコックピットになることは間違いありません。
新型スターレットの価格や値段はいくらか予想
「スペックが良いのは分かったけど、お高いんでしょう?」と思いますよね。確かに、最近のスポーツカーは高騰しており、GRヤリスは450万円以上、シビックタイプRに至っては500万円を軽く超えています。しかし、この新型スターレットに関しては、若者でも手の届く「エントリーモデル」としての役割が期待されています。
私の予想、そして業界メディアの噂を総合すると、車両本体価格は250万円〜280万円あたりになるのではないかと推測しています。
ベースとなるヤリスのガソリン車・最上級グレード(Z 6MT)が約200万円強です。そこに新開発ターボエンジン、ボディ補強、専用サスペンション、ブレーキ強化、そしてGRブランド料を加算すると、プラス50〜80万円程度が妥当なラインです。300万円を超えてしまうとGR86と競合してしまうため、戦略的にも200万円台後半に設定してくる可能性が高いでしょう。
もしこの価格で登場すれば、新車で買える楽しいスポーツカーとして、爆発的な人気になることは間違いありません。中古車相場が高騰している今、新車でこの価格というのは非常に魅力的です。
スイフトスポーツとの比較で見る実力とコスパ
この「200万円台のコンパクトスポーツ」というカテゴリーにおいて、長年絶対王者として君臨しているのがスズキの「スイフトスポーツ(ZC33S)」です。GRスターレットが登場すれば、間違いなく真っ向勝負のライバルとなります。
現行スイフトスポーツは、140馬力の1.4Lターボエンジンを搭載し、車重は驚異の970kg。それでいて価格は200万円台前半(モデル末期で約216万円〜)という、まさに「コスパお化け」のような車です。
| 比較項目 | GRスターレット (予想) | スイフトスポーツ (ZC33S) |
|---|---|---|
| エンジン | 1.3L 直3 ターボ | 1.4L 直4 ターボ |
| 最高出力 | 150ps | 140ps |
| 最大トルク | 約220Nm | 230Nm |
| 車両重量 | 約980kg | 970kg |
| プラットフォーム | TNGA (GA-B) | HEARTECT |
| 予想価格帯 | 250〜280万円? | 約216万円〜 |
単純な価格勝負では、モデル末期で償却が進んでいるスイフトスポーツに分があるでしょう。しかし、新型スターレットには「最新設計のTNGAプラットフォームによる圧倒的なボディ剛性」や、「WRC直系の空力・足回り技術」という大きなアドバンテージがあります。
スイフトスポーツが「軽さを活かしたヒラヒラ感」を楽しむ車だとすれば、GRスターレットは「ガッチリしたボディで路面を掴むスタビリティ」と「エンジンのパンチ力」を楽しむ車になるのではないか、と私は予想しています。どちらを選ぶかは、ドライバーの好み次第。こんな贅沢な悩みができる未来が楽しみでなりません。
2026年登場に期待!新型スターレットの展望
最後に、気になる発売時期についてです。現状の有力な情報によれば、早ければ2026年頃の登場が予想されています。
「2026年か、まだ先だな…」と思うかもしれませんが、自動車業界の電動化シフトは急速に進んでいます。純粋なガソリンエンジンを搭載し、しかもMTで操れる新型スポーツカーが発売されるチャンスは、これが最後になるかもしれません。GRスターレットは、内燃機関時代のフィナーレを飾る、私たちへの「最後のプレゼント」になる可能性があります。
本記事で紹介したスペックや発売時期は、現時点での複数のスクープ情報や業界の動向に基づく推測を含みます。最終的な仕様や価格は、トヨタ公式サイト等の正式発表を必ずご確認ください。
もし購入を検討されているなら、「いつか買おう」と思っているうちに絶版になってしまうリスクを避けるためにも、今からコツコツと「スターレット貯金」を始めておくことを強くお勧めします。奥様への説得材料(「安全装備もついてるし、コンパクトで運転しやすいよ!」など)を今のうちから考えておくのも良いかもしれませんね。
私たち車好きを楽しませてくれる「ボーイズレーサー」の再来。その登場を首を長くして待ちましょう!
スターレット新型のまとめ
新型スターレットに関する情報は、南アフリカですでに販売されているSUVの「クロス」と、現在開発が進められているスポーツモデルの「GR」で全く異なります。特に日本のファンが注目すべきGRスターレットは、Rally4規定を意識した1.3Lターボエンジンを搭載し、軽量ボディとMTを組み合わせた本格スポーツとして、2026年頃の登場が期待されています。価格も200万円台後半と予想され、若者にも手の届く貴重な存在になりそうです。最新情報を常にチェックしつつ、正式発表を楽しみに待ちましょう。
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