最近、YouTubeのおすすめ動画やSNSのタイムラインで「ミニアルファードがついに登場!?」や「価格は100万円台から!」といった衝撃的な見出しを目にして、思わず検索してしまったという方も多いのではないでしょうか。「えっ、あの憧れのアルファードが手頃なサイズで買えるの?」「トヨタからそんな隠し玉が出るなんて聞いてない!」と胸を躍らせる一方で、調べてみると中国の電気自動車が出てきたり、見慣れたルーミーが出てきたりして、「結局どれが本当のミニアルファードなの?」と混乱してしまいますよね。
実はこの「ミニ アルファード」というキーワードには、海外のユニークなコピー車の話題と、日本国内での次期型コンパクトカーへの期待という、全く異なる2つの文脈が混ざり合っているのです。この違いを正しく理解していないと、ありもしない幻の車を探し続けたり、購入計画が狂ってしまったりするかもしれません。
そこで今回は、ネットを騒がせる中国製EVの正体から、現実的な購入候補となる次期ルーミーの最新情報、さらに軽自動車界のミニアルファードとも言われるライバル車まで、この話題にまつわる全ての謎を徹底的に解説していきます。

ネットで話題のミニアルファードの正体
ここ数年、インターネット上では「アルファードにそっくりな小さな車」の画像が度々バイラル(拡散)されています。一見するとトヨタが極秘に開発した新型車のようにも見えますが、その背景には現代の自動車産業のカオスな一面が隠されていました。
トヨタ公式にミニアルファードはない
まず最初に、最も重要な事実をお伝えしなければなりません。それは、トヨタ自動車の公式ラインナップや正式な開発計画において、「ミニ アルファード」という名称のモデルは存在しないということです。
「でも、YouTubeで発売決定って言ってたよ?」と思う方もいるかもしれません。実は、そうした動画の多くは、自動車ファンやクリエイターが作成した「予想CG」や、海外の情報を元にした「推測」に基づいています。アルファードというブランドがあまりにも強力であるため、「もしも小さなアルファードがあったら」という妄想が、いつの間にか「発売予定」という噂に変換されて独り歩きしてしまっているのが現状です。
検索でヒットする2つの「実体」

現在、私たちがネット検索で目にする「ミニ アルファード」には、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
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パターンA(海外ネタ):中国メーカーが製造・販売している、デザインがアルファードに酷似したマイクロ電気自動車(EV)。
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パターンB(国内実需):トヨタが販売しているコンパクトトールワゴン「ルーミー」や、その次期モデルに対する愛称・期待。
ディーラーに行って「ミニアルファードのカタログをください」と伝えても、営業マンを困らせてしまうだけです。「中国のあの車のことかな?それともルーミーのことかな?」と、文脈によって指す車が変わってしまう言葉なんですね。まずはこの「公式には存在しない通称である」という点をしっかりと押さえておきましょう。
中国製EVのBOMAと画像のインパクト

では、世間を騒がせている「パターンA」の正体について深掘りしていきましょう。この車は、中国の新興自動車メーカー「未奥汽車(Weiao)」の「BOMA(ボーマ)」という電気自動車です。
この車は、中国での情報公開や報道が先行して注目を集め、2022年末〜2023年にかけて存在が拡散・流通情報が確認されたモデルです。
デザインの模倣と「キメラ」のような違和感
私が初めてBOMAの画像を見たときの衝撃は忘れられません。車の顔であるフロントマスクのデザインが、30系アルファード(先代モデル)の後期型にうり二つだったのです。具体的には、以下の要素が忠実にコピーされています。
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甲冑のような巨大グリル:アルファードの象徴である、メッキパーツを多用した大型グリルデザイン。
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ヘッドライトの形状:グリルから連続するような切れ長のライトデザイン。
しかし、決定的に違うのはそのサイズです。アルファードの全幅が1,850mmであるのに対し、未奥BOMAのボディサイズは全長3,517mm×全幅1,495mm×全高1,660mmとされ、全幅は1,500mm未満です。その結果、アルファードの顔を無理やり縦横比を変えて圧縮したような、どこかコミカルなプロポーションになっています。
さらに興味深いのが内装とサイドのデザインです。フロントはトヨタ車風ですが、サイドのウィンドウラインやリア周りは日産自動車の軽自動車「デイズ」に酷似しており、内装に目を向けると、今度はメルセデス・ベンツのような横長のデュアルディスプレイが採用されています。まるで世界中の名車のデザインを切り貼りして作ったような「キメラ感」も、BOMAが話題になった要因でしょう。

現地価格とスペックの実情
BOMAの中国でのメーカー希望小売価格(厂商指导价)は、概ね3.99万〜5.19万元と報じられています。日本円換算での「約80万〜100万円」といった表現は、為替レートや諸費用(輸送・通関・改造・登録)でブレが大きいため、記事では元建て価格を基準に記載するのが安全です。
また、そのスペックは日本の一般的な乗用車とは比較にならないほど割り切った仕様です。
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モーター最高出力:30kW(約41PS)
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最高速度:100km/h
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航続距離:130km/200km(いずれも市場向けの公称値で、測定条件により見え方は変動します)
出力は日本の軽自動車(ノンターボ)よりも低く、坂道や合流ではパワー不足を感じるでしょう。あくまで「街乗り専用」の車です。

日本国内での購入可否
「ネタとして乗ってみたい」という方もいるかもしれませんが、現状、日本国内で一般向けに正規販売されている事実は確認できておらず、仮に輸入する場合でも、日本の保安基準や充電規格への適合、登録手続き、アフターサポート体制などの面で高いハードルがあると考えられます。
数百万円単位のコストや手間がかかる可能性が高いため、現実的な購入候補とは言えません。
次期ルーミーが真のミニアルファード
現実的に日本で乗れる「ミニ アルファード」の本命は、やはりトヨタ・ルーミーの次期モデルです。現行モデルも十分に人気ですが、次期型はデザインも中身も劇的に進化し、名実ともに「小さな高級車」になると予想されています。

モデルチェンジ時期は未定
次期ルーミーのモデルチェンジ時期については、現時点でトヨタからの公式発表はなく、2026年〜2027年前半、あるいは2027年以降といった複数の業界予測が出ている段階です。
そのため、具体的な時期や「ビッグマイナーチェンジ → フルモデルチェンジ」といった2段階進化が確定しているわけではありません。公式情報を待つ必要がありますが、ロングセラーモデルだけに期待が高まっているのは間違いありません。
bBの再来?若者にも響くデザインへ
次期型に関する噂の中で見逃せないのが、「かつての『トヨタ bB』のような要素が取り入れられるのではないか」という情報です。bBといえば、角ばったデザインと迫力あるフェイスで若者を中心に一世を風靡した車です。次期ルーミーも、ファミリー層だけでなく、個性を重視する層にも刺さるような、押し出し感の強いデザインになることが期待されています。
ハイブリッド搭載とリセールバリューの魅力
次期ルーミーについては、ダイハツ・ロッキーなどに採用されている「e-SMART HYBRID」が搭載されるのではないか、という予測もありますが、現時点では公式な情報はありません。
仮に同系統の電動化技術が採用された場合、燃費性能の大幅な向上が期待されますが、具体的な数値は未確定です。ただ、現代のトレンドを考えれば、何らかの電動化によって燃費と走りの質が高まる可能性は高いでしょう。
また、経済的なメリットとして見逃せないのが「リセールバリュー(売却時の価値)」です。本家アルファードが値崩れしにくいことで有名なように、アルファード風のカスタムグレードを持つルーミーもまた、中古車市場で非常に人気があります。次期型も高いリセールバリューが期待できるため、購入時の価格が多少高くても、手放すときの損失(トータルコスト)は低く抑えられる可能性が高いのです。
隠れた本命?スズキ スペーシアカスタム

ここまでトヨタ車を中心に解説してきましたが、実は軽自動車の分野にも強力なライバルが存在します。それがスズキの「スペーシア カスタム」です。
軽自動車界のミニアルファード
スペーシアカスタムのフロントマスクを見てみてください。クロームメッキをふんだんに使った巨大なグリルデザインは、軽自動車とは思えないほどの迫力があり、一部のファンの間では「ルーミー以上にアルファードに近い」と評されています。
維持費の安さを最優先にしつつ、顔の「オラオラ感」や高級感も諦めたくない場合、スペーシアカスタムは非常に合理的な選択肢となります。
内装の質感も近年劇的に向上しており、後席には、足を支える機構として**「マルチユースフラップ」が設定され、角度調整によりオットマン(オットマンモード)/脚のサポート/荷物落下防止など複数用途で使える**、とスズキ公式でも説明されています。これは軽自動車としては非常に快適性の高い装備です。

比較:あなたに合うミニアルファードは?
ここまで紹介した3車種の特徴を比較表で整理しました。ご自身のライフスタイルに合った1台を見つけてください。

| 車種 | 未奥汽車 BOMA | トヨタ 次期ルーミー(予想) | スズキ スペーシアカスタム |
| 区分 | 中国製EV | 普通車(コンパクト) | 軽自動車 |
| アルファード度 | 顔だけそっくり | 雰囲気を継承 | メッキの迫力で対抗 |
| 日本での購入 | 困難(正規販売なし) | 可能(発売待ち) | 可能 |
| 参考価格 | 3.99万〜5.19万元 | 約220万円〜250万円(予想) | 約180万円〜220万円 |
| 強み | 圧倒的な安さとネタ性 | 5人乗り・リセールバリュー | 維持費の安さ・豪華装備 |
| おすすめ層 | ネットの話題を楽しむ人 | 家族で快適に移動したい人 | 1〜2人乗車メインの人 |
よくある質問(FAQ)
Q. なぜ「ミニアルファード」と呼ばれるのですか?
A. 正式な車名ではなく、見た目や立ち位置がアルファードに似ていることから生まれた通称だからです。
「ミニアルファード」という言葉は、トヨタが公式に使用している名称ではありません。主にインターネットやSNS、YouTubeなどで、**アルファードを思わせるフロントデザインや押し出し感のあるスタイルを持つ“小型車”**に対して、ユーザーや自動車ファンが便宜的に使い始めた呼び名です。
この呼び方が広まった背景には、次のような要因があります。
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アルファードは「高級ミニバン」の象徴的存在で、ブランドイメージが非常に強い
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スライドドアを備えたコンパクトカーや軽自動車でも、アルファード風の大型グリルやメッキ装飾を採用する車種が増えた
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中国で話題になったアルファード顔の小型EVなど、見た目が強烈な“そっくり車”の画像が拡散された
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「小さくても高級感が欲しい」「維持費を抑えつつアルファードの雰囲気を楽しみたい」という需要が可視化された
その結果、
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次期ルーミーへの期待
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スペーシアカスタムなどの軽自動車
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海外のコピー車的EV
といった本来まったく異なる車が、ひとまとめに「ミニアルファード」と呼ばれるようになり、混乱が生まれているのが実情です。
Q. ミニアルファード(BOMA)は日本でいつ発売されますか?
A. 現時点で日本での正規発売予定はありません。輸入や登録のハードルが高いため、一般的な乗用車としての導入は難しいと考えられます。
Q. トヨタから「ミニアルファード」という名前の車は出ますか?
A. いいえ、公式にその名称の車が出る計画はありません。「ミニアルファード」はあくまでユーザーの間で広まった通称であり、実質的には「ルーミー」やその次期モデルがそのポジションを担っています。
Q. 現行ルーミーをアルファード風にする方法はありますか?
A. はい、可能です。アフターパーツメーカーから販売されているフロントグリルやメッキガーニッシュを装着することで、現行型でもアルファードのような迫力ある見た目にカスタムすることができます。
総括:ミニアルファード
結論として、「ミニアルファード」という車は存在しません。
しかしその言葉が示す「小さくても高級感があり、実用的な車」を求める声は確かに存在します。
その答えが、
・近い将来の次期ルーミーであり
・今すぐならスペーシアカスタム
である、というのが現時点での最適解です。

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