仕事の頼れる相棒として、あるいは趣味のベース車両としてダイハツのグランマックスが気になっている方は多いのではないでしょうか。トヨタのタウンエースと見た目がそっくりだけど何が違うのか、実際の積載量や燃費はどうなのか、購入前に知っておきたいポイントがたくさんありますよね。
また、中古車相場やリコールの話、さらにはカスタムして楽しむ方法など、カタログだけでは見えてこない部分もしっかり押さえておきたいところです。今回はそんな疑問を解消するために、私が徹底的にリサーチした情報を分かりやすくまとめました。
- カーゴやトラックの正確な荷室寸法と積載量が分かる
- 実燃費や取り回しの良さなどリアルな使い勝手をイメージできる
- 中古車相場の傾向やリコールなど購入時の注意点を把握できる
- 兄弟車タウンエースとの違いやカスタムの可能性を知れる
ダイハツ グランマックスのサイズと基本性能

まずは、グランマックスを検討する上で一番重要になる「基本スペック」から見ていきましょう。仕事で使うなら、荷物がどれくらい積めるのか、狭い道でも入っていけるのかは死活問題ですよね。ここではカタログ数値をただ並べるだけでなく、実際の現場での使い勝手をイメージしながら、サイズ感や走行性能について深掘りしていきます。
カーゴの荷室寸法と最大積載量

グランマックス カーゴ最大の魅力は、やはりその絶妙なサイズ感にあると私は思います。軽バンではちょっと物足りないけど、ハイエースだと大きすぎて持て余す…という方にドンピシャなんですよね。
具体的な荷室の広さは以下の通りです。
| 測定箇所 | 寸法(2名乗車時) |
|---|---|
| 荷室長 | 2,045mm |
| 荷室幅 | 1,495mm |
| 荷室高 | 1,305mm |
特筆すべきは、荷室長が2メートルを超えている点ですね。これなら長尺物も余裕を持って積み込めますし、寸法上はコンパネ(1800mm × 900mm)のような建材も平積みが可能です。
最大積載量については、駆動方式によって若干の違いがあるので注意が必要です。
- 2WD車:750kg(5名乗車時は500kg)
- 4WD車:700kg(5名乗車時は500kg)
この「750kg」という積載能力は、軽トラック(350kg)の倍以上。それでいてボディサイズはコンパクトなので、都市部の配送や現場への移動には最強のツールになり得ます。
トラックの荷台仕様と防錆性能

次はトラックタイプについてです。現場仕事でガシガシ使いたい人にとって、荷台の使い勝手と耐久性は非常に気になるところですよね。
グランマックス トラックの荷台フロア長は2,480mm(社内測定値)あります。軽トラックの荷台長が約1,940mm前後であることを考えると、50cm以上も長い計算になり、脚立やパイプ類などの長尺物を積む際の余裕は段違いです。
また、荷台フロア地上高も低めに設計されているため、重量物の積み下ろし時の腰への負担を軽減できる点も実用車として高く評価できます。
防錆対策もしっかりしている
グランマックス トラックは、荷台を含むデッキ部分に亜鉛メッキ鋼板を採用しています。仕事で使用する以上、荷台に傷は避けられませんが、サビに強い素材を使っているため、長期間の使用を前提とした耐久性が確保されています。
4WDと2WDの最小回転半径

狭い住宅街や入り組んだ路地での配送業務では、「小回りが利くかどうか」が作業効率に直結します。
グランマックスの最小回転半径は以下のようになっています。
- 2WDモデル:4.9m
- 4WDモデル:5.3m
注目してほしいのは2WDモデルの4.9mという数値です。これ、一般的なコンパクトカー(例えばヤリスやフィットなど)と同等クラスの小回り性能なんです。全長4メートルちょっとのボディでこの数値なら、Uターンもラクラクですね。
4WDを選ぶ際の注意点 4WDモデルになると、構造上どうしてもハンドルの切れ角が制限されるため、最小回転半径が5.3mまで大きくなります。「絶対に4WDが必要」という地域や用途でなければ、取り回し優先で2WDを選ぶのも賢い選択かもしれません。
実燃費とエンジンの走行性能
毎日走る商用車だからこそ、ガソリン代は経費に直結します。グランマックスに搭載されているのは、1.5Lの水冷直列4気筒エンジン(2NR-VE型)です。
このエンジン、実はかなり優秀でして、吸気と排気の両方に可変バルブタイミング機構(Dual DVVT)を採用しています。これにより、トルクが必要な発進時と、燃費を稼ぎたい巡航時でうまいこと制御してくれるわけです。
カタログ燃費(WLTCモード)の一例:
- カーゴ 2WD 5MT:12.6km/L
- カーゴ 2WD 4AT:12.0km/L
「商用車にしては結構良い数字だな」というのが私の印象です。特に高速道路モードだともう少し伸びる傾向があるため(WLTC-H)、長距離移動が多い方にも悪くない選択肢だと思います。
また、トランスミッションのギア比がかなりローギアード(加速重視)に設定されているので、荷物を満載した状態での坂道発進でも力強く登ってくれます。 1.5Lとは思えない粘り強さを感じるはずですよ。
安全機能スマートアシストの内容
「商用車だから安全装備は最低限」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、グランマックスにはダイハツの予防安全技術「スマートアシスト」が搭載されています。
ただし、装備内容は年式・グレード・トランスミッション(AT/MT)によって異なるため、その点は注意が必要です。
搭載される主な機能(条件付き)
- 衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)
- 車線逸脱警報機能
- ブレーキ制御付き誤発進抑制機能(AT車のみ)
- 先行車発進お知らせ機能
- オートマチックハイビーム
とくにAT車に装備される衝突回避支援ブレーキや誤発進抑制機能は、配送業務や長時間運転時の事故リスク低減に大きく貢献します。法人・個人事業主いずれにとっても、安心材料の一つと言えるでしょう。正確な機能については、必ず公式ページやカタログでご確認ください。
ダイハツ グランマックスの中古相場と選び方
新車も良いですが、コストを抑えるなら中古車も狙い目です。ただ、グランマックスは商用車という特性上、乗用車とは違った中古車選びの視点が必要です。また、リコール情報や認証不正の影響など、ニュースになった話題についても気になりますよね。ここでは、賢く購入するための情報を整理してお伝えします。
中古車市場の価格帯と傾向
グランマックスは商用車としての需要が高く、中古車市場でも比較的価格が安定している傾向があります。
※以下は当サイト独自調査(調査時点:2025年、大手中古車サイトの掲載情報を参照)による参考価格帯です。
| 年式・状態 | 参考価格帯(支払総額) | 傾向 |
|---|---|---|
| 登録済未使用車 | 約220万〜250万円 | 新車に近く、即納可能な点が評価されやすい |
| 3年落ち(3万km前後) | 約200万〜220万円 | 使用感が少なく、人気が高い |
| 過走行車(10万km超) | 約150万円前後 | 耐久性重視で選ばれる傾向 |
価格は地域や装備、流通量によって変動しますが、商用車としての実用性と耐久性が評価され、極端な値崩れは起きにくい車種と言えるでしょう。
タウンエースとの違いと共通点

「トヨタのタウンエースと何が違うの?」という質問は本当によくあります。結論から言うと、基本骨格や主要部品を共有する兄弟車です。
グランマックスはダイハツが開発・生産し、トヨタへ「タウンエース」としてOEM供給しています(マツダのボンゴも同じく兄弟車です)。インドネシアを中心に海外で活躍し鍛えられたタフな設計は共通しており、エンジンや荷室の寸法なども基本的には同じです。
選ぶ際のポイント
- ブランドへのこだわり:普段お付き合いのあるディーラーがあれば、そこで買うのがメンテナンス面で楽です。
- 在庫状況:ダイハツの店舗に在庫がなくても、トヨタの店舗にはある(あるいはその逆)というケースがあります。
- 中古車価格:「タウンエース」の方が知名度が高いため、中古車市場では若干高値が付く傾向があります。逆に言えば、「グランマックス」の方が少し安く買えるチャンスがあるかもしれません。
リフトアップなどカスタムの魅力

最近、グランマックス(およびタウンエース)をベースにしたカスタムが熱いんです! 仕事で使うだけでなく、休日はキャンプや車中泊を楽しむ「バンライフ」の相棒として注目されています。
特に人気なのが「ちょい上げ」のリフトアップスタイルです。車高を少し上げることで、林道や河原などの悪路走破性が高まるだけでなく、見た目もワイルドでカッコよくなります。保安基準内で構造変更が不要な範囲のリフトアップキットも販売されていますが、製品やカスタムの内容によっては記載変更等の手続きが必要になる場合もあるため、事前にショップやメーカーへ確認することをおすすめします。
また、荷室が真四角なので、ベッドキットを組んで車中泊仕様にするのも簡単です。兄弟車のタウンエース用パーツがそのまま流用できるケースも多く、カスタムパーツの選択肢には困りません。
リコール情報と対象車両の確認
グランマックスについては、過去に国土交通省へ正式に届け出されたリコールがあります。
2024年7月に届け出されたリコールでは、後方から衝突を受けた際にバッテリー固定具が外れ、バッテリーが所定位置に保持されないおそれがあることが判明しました。これを受け、対象車両については固定具の対策品交換とストッパー追加といった改善措置が講じられています。
中古車購入時のチェックポイント
中古のグランマックスを購入する場合は、その車両がリコール対策済みかどうかを必ず販売店に確認してください。整備記録簿への記載や、対策完了の有無を確認することで、安心して使用できます。
なお、すでに登録されている車両については、法的な使用制限はなく、通常どおり車検を受けて使用することが可能です。
認証不正問題と現在の販売状況
ニュースでも大きく取り上げられたダイハツの認証不正問題について、不安に感じている方もいるかと思います。現状(2025年時点)を整理しておきます。
トラックタイプに関しては、型式指定の取消しという行政処分を受けました。これは「これから新車を作って出荷するための型式」が無効になったという意味合いが強く、すでに登録されて走っている車や、中古車を購入して乗る分には法的な問題はありません。もちろん車検も通常通り通ります。
一方、カーゴ(バン)タイプについては、基準適合性が確認され、出荷・販売が再開されています。これから新車を注文しようと考えている方は、トラックとカーゴで状況が異なる点に注意が必要です。最新の販売状況については、必ずダイハツの公式サイトや販売店で確認するようにしてください。
ダイハツ グラン マックスの総合評価まとめ

ここまでグランマックスについて詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
結論として、グランマックスは「日本の道路事情にマッチした、最強の実用車」だと私は感じています。
軽トラでは積みきれない、でもハイエースは大きすぎる…そんな隙間を埋める唯一無二の存在です。インドネシア生まれのタフなボディは耐久性抜群ですし、1.5Lエンジンの走りも必要十分。さらに、最近ではカスタムベースとしての楽しさも加わり、単なる仕事道具の枠を超えた魅力を持っています。
これから購入を検討される方は、ご自身の用途(積載量や走る場所)に合わせて、2WDか4WDか、MTかATかをじっくり選んでみてくださいね。この記事が、あなたの頼れる相棒選びの参考になれば嬉しいです!
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