街の安全を守るパトカーの中でも、一際存在感を放つトヨタのクラウン。その新型クラウンのパトカーが、今大きな注目を集めています。長年にわたるクラウンパトカーの歴代モデルの歴史や、そもそもパトカーになぜクラウンが多いのかという疑問から、多くの人が関心を寄せています。特に、愛知県警や警視庁などに配備される新型パトカーの動向は、常に話題の中心です。
今回の新型では、従来のガソリン車とは一線を画す、驚きの新型クラウンパトカー仕様が採用されました。これに伴い、新型クラウンパトカーの値段や、セダンタイプのクラウンパトカー生産終了で今後どうなるのか、といった具体的な情報への需要も高まっています。
さらに、次期パトカー候補や、覆面パトカーでよく使われる車種、退役したクラウンパトカーが中古で手に入るのか、16代目を指す230系クラウンパトカーといった最新モデルに関する情報、そして「新型パトカーは狭くて警官が乗れず大変」という気になる噂まで、知りたいことは尽きません。この記事では、そんな新型クラウンパトカーに関するあらゆる情報を網羅し、その全貌を徹底的に解説します。
この記事でわかること
- 歴代クラウンパトカーの歴史と採用され続ける理由
- 最新型クラウンパトカー(FCEV・PHEV)の価格や詳細な仕様
- 全国の警察への配備状況と今後の展望
- パトカーに関する様々な噂や中古市場の真相
新型クラウンパトカーの歴史と現状

車の広場:イメージ
- そもそもパトカーはなぜクラウンが多い?
- 230系を含むクラウンパトカーの歴代車種
- 覆面パトカーでよく使われる車種とは
- セダン生産終了でパトカーはどうなるのか
- 退役したクラウンパトカーは中古で買える?
そもそもパトカーはなぜクラウンが多い?
結論から言うと、クラウンがパトカーとして多く採用される理由は、卓越した耐久信頼性、安定した走行性能、そして全国を網羅する整備ネットワークの3つの要素を高いレベルで満たしているからです。
パトカーは、時に緊急走行で高速走行をしたり、日々のパトロールで長距離を走行したりと、非常に過酷な条件下で使用されます。そのため、一般車両よりもはるかに高い基準の耐久性が求められます。クラウンは、法人向けやタクシーなどでの使用実績も豊富で、その頑丈さには定評があります。
また、高速道路での追跡など、犯人を追う場面では高い走行安定性が不可欠です。クラウンはFR(後輪駆動)レイアウトを長年採用してきた歴史があり、優れたハンドリングと高速域での安定した走りを提供します。さらに、隊員の居住性や、無線機などの装備を搭載するスペースも十分に確保されている点も評価されています。
クラウンが選ばれる4つの理由
- 高い信頼性と耐久性:長距離・長時間走行に耐えうるタフな設計。
- 優れた走行性能:高速追跡にも対応できる安定性とパワー。
- 十分な居住性と積載性:乗員の快適性と装備品の搭載スペースを確保。
- 全国的な整備体制:どこで故障しても迅速に修理できる安心感。
これらの理由から、クラウンは日本の警察活動を支える上で最も信頼できるパートナーの一つとして、長年にわたり選ばれ続けているのです。
230系を含むクラウンパトカーの歴代車種
クラウンのパトカーとしての歴史は、1955年に登場した初代から始まります。以降、日本の経済成長と共に進化を遂げ、各時代の最先端技術を取り入れながら、常に第一線で活躍してきました。
特に近年のモデルは、多くの人々の記憶に残っています。例えば、「ゼロクラウン」の愛称で親しまれた180系は、それまでのパトカーのイメージを刷新する流麗なデザインと高い運動性能で注目を集めました。その後継である200系、そして現在も主力として活躍する210系(アスリート/ロイヤル)は、交通取締用と警ら用で仕様を分け、より専門性の高い任務に対応しています。
「230系クラウン」について
「230系」という呼称は、16代目となる新型クラウンシリーズの開発コード(S230系)に由来する一般的な呼び方です。型式とは異なりますが、最新世代のクラウンを指す言葉として広く使われています。
世代(通称) | 導入時期の目安 | 特徴 |
---|---|---|
初代(RS型) | 1955年~ | 日本初の純国産乗用車。パトカーの歴史がここから始まる。 |
180系(ゼロクラウン) | 2003年~ | デザインと性能を大幅に刷新。V6エンジンを搭載。 |
210系(ロイヤル/アスリート) | 2012年~ | 交通用(アスリート)と警ら用(ロイヤル)でグレードを分ける。 |
220系 | 2018年~ | 2.0Lターボのほか2.5Lハイブリッド等も併売。スポーティーなデザイン。 |
このように、クラウンパトカーは時代ごとの要求に応えながら進化を続け、日本の治安維持に貢献してきた歴史を持っています。
覆面パトカーでよく使われる車種とは
交通違反の取締りで活躍する覆面パトカーには、一般車両に紛れ込むための「目立たなさ」と、違反車両を追跡するための「高い走行性能」が同時に求められます。
その代表格として最も有名なのが、トヨタ クラウン アスリートです。特にシルバーのボディカラーは定番中の定番と言えるでしょう。しかし、覆面パトカーはクラウンだけではありません。近年では車種の多様化が進んでいます。
例えば、同じトヨタのマークXや、日産のスカイライン、そして埼玉県警などでも採用実績のあるスバルのWRX S4なども、その高い走行性能から覆面パトカーとして採用されています。これらの車種は、一見すると普通のセダンですが、いざという時には驚異的な加速力で違反車両に迫ります。
高速道路で怪しいセダンを見かけたら、まずは覆面パトカーを疑うのが賢明かもしれません。アンテナの有無や乗員の服装など、いくつか見分けるポイントがあると言われています。
これらの車種に共通するのは、「高性能なエンジンを搭載しているが、外観は比較的おとなしいセダン」という点です。まさに「能ある鷹は爪を隠す」を地で行く存在が、覆面パトカーなのです。
セダン生産終了でパトカーはどうなるのか
「クラウンのセダンが生産終了する」というニュースは、多くの自動車ファンに衝撃を与え、同時に「今後のパトカーはどうなるのか?」という懸念を生みました。
結論として、心配は無用です。この「生産終了」は、従来型のFR(後輪駆動)セダンであった220系の生産が2022年に終了したことを指します。16代目として生まれ変わった新型クラウンシリーズには、新しい形の「クラウンセダン」がラインナップされており、実際にこれがパトカーとして採用されています。
むしろ、新型クラウンシリーズは4つの異なるボディタイプ(クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)を展開しており、警察車両としての選択肢は広がったとさえ言えます。実際に、セダンタイプは燃料電池車(FCEV)として、スポーツタイプはプラグインハイブリッド車(PHEV)として、既にパトカーに採用されています。
このように、クラウンがパトカーのベース車両としての役割を終えるわけではなく、時代の変化に合わせて多様なパワートレインとボディ形状で、これからも日本の安全を支え続けることになります。
退役したクラウンパトカーは中古で買える?
「憧れのクラウンパトカーを中古で手に入れたい」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは原則として不可能であり、ほぼ入手困難なのが現実です。
警察車両は、その特殊な役割から、退役後は悪用を防ぐため厳格に管理されます。赤色灯やサイレンアンプ、無線機といった特殊装備は全て取り外され、ほとんどの車両が専門業者によって解体・スクラップ処分されます。
例外的に、教習所での高速教習用や広報イベント用だった車両などがオークション等に現れることもありますが、その数は極めて稀です。
払い下げ車両購入時の注意点
万が一、元パトカーを中古で購入できたとしても、注意が必要です。白黒の塗装に戻したり、赤色灯を取り付けたりして公道を走行することは、法律で固く禁じられています。あくまで一般車両として、法律の範囲内で楽しむようにしてください。
したがって、退役したクラウンパトカーを一般の方が中古で購入することは、現実的な選択肢とは言えません。
最新の新型クラウンパトカー徹底解説

車の広場:イメージ
- 最新型クラウンパトカーの驚きの仕様
- 新型クラウンパトカーの値段はいくら?
- 愛知県警や警視庁の新型パトカー導入例
- 新型は狭くて警官が乗れないという噂の真相
- 次期パトカー候補に挙がる車種は何か
- まとめ:未来へ走る新型クラウンパトカー
最新型クラウンパトカーの驚きの仕様
新型クラウンパトカーは、これまでの常識を覆す、環境性能を重視した次世代の車両です。現在、主に2つのタイプが確認されており、それぞれが異なる先進的なパワートレインを搭載しています。
福島県警のクラウンセダンFCEVパトカー
2024年12月25日、全国で初めて福島県警の交通機動隊に配備されたのが、「クラウンセダン」ベースの燃料電池車(FCEV)パトカーです。水素を燃料として電気を発生させてモーターで走行するため、走行中に排出するのは水のみ。二酸化炭素や有害なガスを一切出さない、究極のエコカーです。報道によれば、トランク容量も広く、装備品の収納といった実用面でも問題ないとされています。
愛知県警のクラウンスポーツPHEVパトカー
2025年3月3日、愛知県警にトヨタ自動車から寄贈されたのが、「クラウンスポーツ」ベースのプラグインハイブリッド車(PHEV)の広報パトカーです。「世界で1台だけ」のパトカー仕様とされ、主にイベントなどで活躍します。さらに、1500W(AC100V)の外部給電機能を標準装備しており、災害時には「走る蓄電池」として電力を供給する重要な役割も担います。
配備先 | ベース車両 | パワートレイン | 主な特徴 |
---|---|---|---|
福島県警 | クラウンセダン | FCEV(燃料電池車) | 排出物が水のみで環境性能が非常に高い。実用性も確保。 |
愛知県警 | クラウンスポーツ | PHEV(プラグインハイブリッド) | 災害時に1500Wの電源として活用できる外部給電機能を持つ。 |
新型クラウンパトカーの値段はいくら?
最新技術が惜しみなく投入された新型クラウンパトカーですが、その値段もまた規格外です。
特に、福島県警に導入されたFCEV(燃料電池車)仕様のクラウンセダンパトカーは、ベース車両の価格に加えて、赤色灯、サイレン、無線機、速度計測装置といった警察専用の特殊装備を搭載するため、1台あたりの総額が約2,000万円に達すると報道されています。
これは、従来のガソリンエンジンを搭載したクラウンパトカー(数百万円程度)と比較すると、数倍以上の非常に高価な車両ということになります。ベースとなるFCEV「クラウンセダン」の市販価格が830万円(参照:トヨタ公式サイト)であることを考えても、パトカー仕様にするための改造費用がいかに高額であるかが分かります。
高価格の理由
この高価格は、単に車両性能を追求した結果だけではありません。官公庁が率先して次世代自動車を導入することで、脱炭素社会の実現に向けた国民へのアピールや、関連技術の普及を促進するという、広報・シンボルとしての役割も価格に反映されていると言えるでしょう。
愛知県警のPHEV仕様も同様に高価な車両であり、これらの新型パトカーは、日本の警察車両が新たな時代へ突入したことを象徴する存在です。
愛知県警や警視庁の新型パトカー導入例
新型クラウンパトカーの導入は、現時点ではごく少数ですが、その先進性から大きな注目を集めています。
前述の通り、最も象徴的なのは福島県警と愛知県警の事例です。
- 福島県警:2024年12月25日に、全国初となるFCEV仕様の「クラウンセダン」パトカーを交通機動隊に配備。
- 愛知県警:2025年3月3日に、全国唯一となるPHEV仕様の「クラウンスポーツ」広報パトカーの寄贈を受ける。
これらの車両は、日常的な交通取締りというよりは、イベントでの展示や県内の主要道路でのパトロールを通じて、県民に次世代技術をアピールする役割を担っています。
一方、警視庁をはじめとする他の都道府県警では、現時点では220系クラウンや他車種の導入が中心です。しかし、経済産業省が掲げる「2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%」という政府目標もあり、今後は全国の警察でFCEVやPHEVといった環境性能の高いパトカーの導入が加速していくことは確実です。
福島と愛知の事例は、その未来を占う試金石と言えるでしょう。
新型は狭くて警官が乗れないという噂の真相
新型車両が登場するたびに、まことしやかに囁かれるのが「車内が狭くて、装備を付けた警察官が乗れない」という噂です。
この噂の真相ですが、結論としては客観的な根拠に乏しい情報と言えます。警察がパトカーとして車両を採用する際には、実際の隊員が乗車し、運転のしやすさや各種装備の操作性、居住性などを厳しくチェックします。
確かに、近年の車両はデザイン性を重視するため、昔ながらの箱型セダンに比べてタイトに感じる部分はあるかもしれません。しかし、例えば福島県警に配備されたFCEVパトカー(全幅1890mm)は、「トランクに装備を問題なく収容できる」と報じられており、パトカーとしての要求仕様を満たせないほどの「狭さ」であるとは考えにくいです。
そもそも、パトカーの仕様は市販車とは細部が異なります。例えば、シートの形状が調整されていたり、装備の配置が工夫されていたりすることもあります。単純に市販車の乗り心地だけで判断するのは早計ですね。
新型のクラウンシリーズについても、当然ながら警察車両としての運用を前提とした評価が行われた上で配備されています。したがって、「狭くて乗れない」という噂は、あくまで一部の印象に基づいたものと考えるのが妥当です。
次期パトカー候補に挙がる車種は何か
クラウンがパトカーの王座に君臨し続ける一方で、その座を狙う「次期パトカー候補」にも注目が集まっています。
自動車業界の変革期にあって、パトカーの選定基準も変化しており、今後はより多様な車種が採用される可能性があります。
現在、候補として考えられる車種は以下の通りです。
トヨタ車
クラウンシリーズ以外では、同じトヨタのセダンであるカムリや、FCEVの先駆けであるMIRAIも有力な候補です。特にカムリは、FF(前輪駆動)ならではの安定した走りと広い室内空間が魅力です。
他メーカー車
長年クラウンのライバルとしてパトカーに採用されてきた歴史を持つ、日産のスカイラインも依然として有力候補です。また、高い走行性能を誇るスバルのWRX S4は、交通取締用の覆面パトカーとしてすでに導入実績があります。
SUVパトカーの台頭
近年、世界的なトレンドとしてSUVタイプのパトカーが増えています。日本でもトヨタのRAV4など、SUVパトカーの導入例が各地で見られるようになりました。悪路走破性や積載性の高さ、視点の高さから、特に地方や積雪地域での活躍が期待されます。
このように、次期パトカーはクラウン一択ではなく、用途や地域特性に応じて、様々な車種が活躍する時代になっていくでしょう。
まとめ:未来へ走る新型クラウンパトカー
この記事では、新型クラウンパトカーを中心に、その歴史から未来までを多角的に解説しました。最後に、本記事の要点をリスト形式でまとめます。
- 新型クラウンパトカーはFCEVとPHEVで登場
- 福島県警には2024年12月25日にFCEVセダンを配備
- 愛知県警には2025年3月3日にPHEVスポーツを寄贈
- FCEVモデルのパトカー総額は約2000万円と高額
- 走行時にCO2を排出しない高い環境性能が特徴
- PHEVモデルは災害時に1500Wの非常用電源として活用可能
- クラウンがパトカーに多い理由は信頼性と走行性能の高さ
- 180系は2003年、210系は2012年、220系は2018年に登場
- 230系とは16代目クラウンの開発コードに由来する呼称
- 覆面パトカーにはクラウンの他WRX S4なども使われる
- 220系セダン生産終了後も新しい形でクラウンパトカーは存続
- 退役したパトカーは原則流通せずほぼ入手困難
- 「新型は狭い」という噂に客観的な根拠は乏しい
- 次期パトカー候補にはカムリやSUVなども挙がっている
- 政府は2035年までに新車販売の電動車100%を目標としている
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