コンパクトトールワゴンを探していると、必ず候補に挙がるダイハツのトールとトヨタのルーミー。見た目が似ているため、トールとルーミーの違いが分からず、値段がどっちが安いのか、あるいはトールとルーミーはどっちが人気なのか、気になる方も多いでしょう。さらに、過去に販売されていた兄弟車であるルーミーとタンクの違いや、同じくOEM車であるスバル・ジャスティとの違い、ライバル車のスズキ・ソリオとの比較など、知りたいことは尽きません。購入を検討する際には、ルーミーとトールの値引き情報や、中古車市場での状況も重要な判断材料になります。この記事では、これらの疑問を解消し、最終的にルーミーとトールは買うならどっちなのか、あなたにとって最適な一台を見つけるための情報を詳しく解説します。
この記事で分かること
- トールとルーミーの基本的な性能やデザインの違い
- 兄弟車やライバル車との比較
- 価格や人気、中古市場での具体的な違い
- あなたに合った一台を選ぶための最終的な判断基準
トールとルーミーの基本的な違いを5つの視点で比較

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- 兄弟車であるルーミーとタンクの違い
- OEM関係にあるトール・ルーミーとジャスティの違い
- ライバル車ソリオとトール・ルーミーを徹底比較
- 外観デザインや内装の質感の違い
- エンジン性能や燃費は同じ?
兄弟車であるルーミーとタンクの違い

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結論として、ルーミーとタンクは基本性能が同じ兄弟車であり、最大の違いはフロントフェイスのデザインにありました。
両車は、ダイハツのトールをベースとしてトヨタに供給されていたOEM車両です。そのため、エンジン性能や室内の広さ、燃費といったスペックに差はありませんでした。デザイン面でルーミーは大型グリルを採用し高級感を、タンクはシャープな形状でスポーティさを演出し、異なる顧客層にアピールしていました。
また、販売チャネルも異なり、ルーミーはトヨタ店とカローラ店、タンクはトヨペット店とネッツ店で取り扱われていました。
現在はルーミーに一本化
2020年9月のマイナーチェンジを機にタンクは販売を終了し、ルーミーに統合されました。したがって、現在新車で購入できるのはルーミーのみです。中古車市場ではタンクも流通しており、デザインの好みで選ぶことができます。
OEM関係にあるトール・ルーミーとジャスティの違い
ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー、そしてスバル・ジャスティは、すべてダイハツが開発・製造する兄弟車です。この関係をOEM(相手先ブランドによる生産)と呼びます。
この3車種の最も大きな違いは、エクステリアデザインとエンブレムです。特に車の顔となるフロントグリルのデザインが、各ブランドの個性を反映して作り分けられています。基本的な走行性能、エンジン、室内の広さといった根幹部分は共通設計のため、性能差はほとんどありません。
装備面では、選択できるメーカーオプションやグレード展開に若干の違いが見られます。例えば、ボディカラーのラインナップや内装の細かな加飾がブランドごとに少しずつ異なります。どのブランドの車を選ぶかは、デザインの好みや、お近くのディーラーのサービス、ブランドイメージによって決めるのが良いでしょう。
ライバル車ソリオとトール・ルーミーを徹底比較

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トール・ルーミーの最大のライバルとして挙げられるのが、スズキのソリオです。どちらもコンパクトハイトワゴンという人気のカテゴリに属しますが、明確な違いがいくつか存在します。
最も大きな違いはパワートレインです。トール・ルーミーがガソリンエンジンのみであるのに対し、ソリオはマイルドハイブリッドとフルハイブリッドの2種類をラインナップしています。これにより、燃費性能ではソリオに軍配が上がります。
室内の使い勝手や安全性能にも各社の思想が反映されています。以下の表で具体的なスペックを比較してみましょう。
どちらも魅力的な選択肢ですが、燃費を最優先するならソリオ、ターボエンジンによる力強い走りを求めるならトール・ルーミーのカスタムグレード、といった選び方ができます。
項目 | トール / ルーミー | ソリオ |
---|---|---|
パワートレイン | 1.0L ガソリン (NA/ターボ) | 1.2L マイルドハイブリッド / フルハイブリッド |
燃費 (WLTCモード) | 16.8~18.4km/L | 19.6~22.7km/L |
安全装備 | スマートアシスト | スズキ セーフティ サポート |
室内長 | 2,180mm | 2,500mm (※) |
特徴 | ターボ設定あり 広々とした室内空間 |
優れた燃費性能 後席の快適性が高い |
※ソリオの室内長はハイブリッド搭載方法により、トール/ルーミーとは計測基準が異なる部分があるため、実際の広さは両車を比較試乗して体感することをおすすめします。燃費や価格はグレードにより異なります。
外観デザインや内装の質感の違い
トールとルーミーの基本骨格は共通ですが、外観デザインと内装の質感で差別化が図られています。
まず、最も分かりやすい違いはフロントのエンブレムです。トールはダイハツのマーク、ルーミーはトヨタのマークが装着されます。フロントグリルのデザインは両車とも大型で存在感がありますが、カスタムグレードではそれぞれデザインが異なり、個性を主張します。
ボディカラーにも違いがあり、ルーミーには専用色「クールバイオレットクリスタルシャイン」が設定され、上品で落ち着いた印象を与えます。一方、トールには「ブラックマイカメタリック×ターコイズブルーマイカメタリック」のような個性的な2トーンカラーが用意されており、アクティブなイメージを演出できます。
内装については、全体的なレイアウトは共通です。しかし、カスタムグレードではシートの素材に違いがあり、トールではレザー調シートが選択できるなど、細部で所有満足度を高める工夫がされています。
エンジン性能や燃費は同じ?

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結論から言うと、トールとルーミーのエンジン性能とカタログ燃費は全く同じです。
両車はダイハツが開発・製造した同じプラットフォーム、同じエンジンを搭載しています。そのため、スペック上の数値に違いは生まれません。搭載されるエンジンは、1.0Lの自然吸気(NA)エンジンと、力強い加速が魅力の1.0Lターボエンジンの2種類です。
燃費(WLTCモード)も以下の表の通り、駆動方式やエンジンタイプが同じであれば、トールとルーミーで差はありません。
モデル | 燃費(WLTCモード) |
---|---|
2WD(NAエンジン) | 18.4km/L |
2WD(ターボエンジン) | 16.8km/L |
4WD(NAエンジン) | 16.8km/L |
公式サイトによると、上記の数値が公表されています。実際の燃費は運転スタイルや道路状況、エアコンの使用などによって変動しますが、両車の間に性能的な燃費の優劣はないと考えて良いでしょう。
購入前に知るべきトールとルーミーの違いと選び方

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- 販売台数で見るトールとルーミーはどっちが人気?
- トールとルーミーで値段が安いのはどっちか解説
- ルーミーとトールの値引き額の相場
- トールとルーミーの中古車市場での価格と注意点
- 【結論】ルーミーとトールは結局買うならどっち?
- まとめ:後悔しないためのトールとルーミーの違い
販売台数で見るトールとルーミーはどっちが人気?

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販売台数で比較すると、人気は圧倒的にルーミーが高いという結果が出ています。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する新車販売台数ランキングでは、ルーミーは常に上位にランクインしており、コンパクトハイトワゴン市場を牽引する存在です。例えば、2023年の年間販売台数では約10万台を記録し、登録車全体でもトップ5に入るほどの人気を誇ります。
一方、OEMの供給元であるトールは、ルーミーほどの販売台数には至っていません。この差が生まれる主な理由は、以下の点が考えられます。
ルーミーが人気の理由
トヨタの強力な販売ネットワーク:全国に広がるトヨタのディーラー網により、顧客が車に触れる機会が多いです。
ブランドイメージ:「トヨタ車」という安心感や信頼性が、幅広い層のユーザーに支持されています。
マーケティング戦略:効果的な広告やプロモーションが、ルーミーの知名度を押し上げています。
これらの理由から、市場での人気や知名度を重視する場合は、ルーミーが優勢と言えます。
トールとルーミーで値段が安いのはどっちか解説
新車価格を比較すると、トールとルーミーの車両本体価格に大きな差はありません。
同じエンジン、同じ駆動方式の同等グレードで比較した場合、価格はほぼ同じか、数万円程度の違いに収まることがほとんどです。どちらが安いかは、選択するグレードやオプションによって変動します。
以下に、代表的なグレードの価格帯(2025年7月時点のメーカー希望小売価格)をまとめました。
グレード | ルーミー (税込) | トール (税込) |
---|---|---|
エントリー「X」(2WD) | 1,742,400円 | 約1,742,000円~ |
中間「G」(2WD) | 1,939,300円 | – (※) |
カスタム「カスタムG」(2WD) | 2,118,600円 | 約2,118,000円~ |
※トールはマイナーチェンジ等でグレード構成がルーミーと完全に一致しない場合があります。価格はあくまで目安であり、最新の情報は各メーカーの公式サイトでご確認ください。実質的な支払額は、後述する値引き額によって変わってきます。
ルーミーとトールの値引き額の相場

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車両本体価格に大差がないため、最終的な支払総額を左右するのは値引き額になります。
一般的に、値引き額の相場は人気車種であるルーミーで23万円~24万円前後と言われています。ただし、これはオプションを含めた総額からの値引きであり、車両本体からだけでこの金額が引かれるわけではありません。
一方、トールも同程度の値引きが期待できますが、販売台数がルーミーほど多くないため、ディーラーの販売方針や在庫状況によってはルーミー以上の好条件が提示される可能性もあります。
値引き交渉を成功させるコツは、競合車種(特にスズキのソリオ)の見積もりを用意しておくことです。「ソリオと迷っている」と伝えることで、ディーラー側もより良い条件を提示しやすくなります。また、決算期である3月や9月は、通常期よりも大きな値引きが期待できるため狙い目です。
トールとルーミーの中古車市場での価格と注意点
中古車市場では、流通量とリセールバリュー(再販価値)でルーミーが有利な状況です。
ルーミーは新車販売台数が多いため、中古車の流通台数も豊富です。市場には約4,000台以上が流通しており、年式やグレード、カラーの選択肢が多いのが魅力です。対してトールは約1,000台前後と、選択肢は限られます。
中古車価格とリセールバリュー
価格帯はルーミーが約60万円~350万円と幅広く、トールはやや安めの約30万円~260万円で取引されることが多いです。この価格差はリセールバリューの違いを反映しており、特にルーミーの上級グレード「カスタムG-T」は非常に人気が高く、高いリセールバリューを維持しています。
中古車選びのポイント
ルーミーがおすすめな人:豊富な選択肢から状態の良い一台を見つけたい方、将来的な売却価格を重視する方。
トールがおすすめな人:流通量が少ない分、掘り出し物が見つかる可能性も。価格を少しでも抑えたい方。
中古車を購入する際は、価格だけでなく年式、走行距離、修復歴の有無、そして整備記録簿がしっかり残っているかを確認することが重要です。信頼できる販売店を選び、保証内容もしっかりチェックしましょう。
【結論】ルーミーとトールは結局買うならどっち?
ここまで様々な違いを見てきましたが、基本性能が同じである以上、どちらを選ぶかは個人の価値観やライフスタイルに大きく左右されます。以下に、それぞれどのような人におすすめできるかをまとめました。
▼トヨタ ルーミーがおすすめな人
- 「トヨタ」というブランドの安心感や信頼性を重視する方
- 将来車を売却する際に、少しでも高く売りたい(リセールバリューを重視する)方
- 豊富な中古車の選択肢から、自分にぴったりの一台を探したい方
- 多くの人が乗っている人気の車に乗りたい方
▼ダイハツ トールがおすすめな人
- 他の人とは少し違う、個性的なボディカラーを選びたい方
- 普段から付き合いのあるダイハツディーラーで購入したい方
- わずかでも購入費用を抑えるために、じっくり値引き交渉をしたい方
- 周りであまり見かけない車に乗りたいという、こだわりがある方
言ってしまえば、性能面での優劣はありません。デザインの好み、ブランドへの信頼、そしてディーラーとの関係性など、あなたが何を最も大切にするかで、選ぶべき一台が決まります。
まとめ:後悔しないためのトールとルーミーの違い
この記事では、トールとルーミーの違いを多角的に解説しました。最後に、後悔しない車選びのための重要なポイントをリストで振り返りましょう。
- トールとルーミーはダイハツが製造するOEMの兄弟車
- エンジンや燃費、室内の広さといった基本性能は全く同じ
- 外観の最も大きな違いはフロントのエンブレムとグリルのデザイン
- ルーミーには専用色、トールには個性的な2トーンカラーがある
- スバルのジャスティも同じく兄弟車で違いはエンブレムや外観
- ライバル車はハイブリッド設定のあるスズキのソリオ
- 新車の車両本体価格に大きな差はない
- 値引き額は交渉次第でどちらがお得になるか変わる
- 販売台数や人気はトヨタのルーミーが圧倒的に高い
- 中古車の流通量もルーミーの方が豊富で探しやすい
- リセールバリューは人気を反映してルーミーの方が高い傾向
- 2020年にタンクはルーミーに統合され新車販売は終了している
- ブランドイメージと信頼性で選ぶならルーミー
- 個性やディーラーとの関係性で選ぶならトール
- 最終的にはデザインの好みや何を重視するかが決め手となる
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