ホイール塗装で塗ってはいけない部分とは？

ホイールの見た目を変えたい、古くなった塗装をリフレッシュしたい――そんな思いから「ホイール塗装」に挑戦しようとする方は少なくありません。しかし、事前の知識がないまま作業を進めてしまうと、重大なミスやトラブルにつながることがあります。特に「ホイール塗装塗ってはいけない」場所を理解していないと、安全性に影響を及ぼす可能性すらあるため注意が必要です。

この記事では、「ボディー用のスプレー缶でホイールに塗ってもよい？」という疑問に対する答えや、「ホイール塗装タイヤつけたまま」作業する際の注意点についても触れながら、正しい塗装の手順や知っておくべき基礎知識を網羅的に解説します。また、「ホイール塗装剥がれない」ための準備方法や、「ホイール塗装 5,000円」以内でDIYする具体的な方法も紹介。

さらに、塗装方法の違いや「ホイール塗装料金」の相場、「ホイール塗装焼き付け」などの専門的な施工についても詳しく掘り下げています。「ホイール塗装ミッチャクロン」などの下地材の役割、「ホイール塗装スプレー」の選び方、「ホイール塗装ラバースプレー」でのカスタム手法など、塗装の種類ごとの特徴もわかりやすくまとめています。

仕上がりや耐久性にこだわる場合は「アルミホイール塗装専門店」への依頼や、「ホイール塗装持ち込み」の流れについても知っておくと安心です。この記事を通して、ホイール塗装を安全かつ満足のいく形で成功させるための知識をしっかり身につけていきましょう。

この記事のポイント

塗装してはいけない具体的な箇所
塗装による事故リスクの具体例
正しい塗装のためのマスキングの重要性
専用塗料を使う必要性と選び方

ホイール塗装で塗ってはいけない場所の確認
ホイール塗装で塗ってはいけない理由とは

ホイール塗装で塗ってはいけない場所の確認

Aluminum wheels and spray

・ホイールボルト接触面の塗装はNG
・ハブ接触面を塗るとどうなる？
・マスキングで守るべき箇所とは
・塗装の剥がれが招く事故リスク
・DIY塗装でも避けるべき注意点

ホイールボルト接触面の塗装はNG

ホイールボルトが接触する部分に塗装をしてはいけない最大の理由は、走行中の安全性に大きく関わるからです。見た目を重視してホイール全面を均一に塗装したくなる気持ちはよくわかりますが、この部分だけは避けなければなりません。

まず、ホイールボルトやナットが接する面には強い圧力が加わります。そこに塗装があると、締め付けた際に塗膜が割れたり、つぶれたりしてしまいます。すると塗装が微細に剥がれ、その下に隙間ができる可能性があります。このわずかな隙間が原因となり、ボルトが徐々に緩んでしまうのです。

このような状態で車を走行させると、振動や衝撃によりホイールが外れる危険性が高まります。万が一、走行中にホイールが脱落すれば、重大な事故に繋がる可能性もあるでしょう。

また、塗膜の厚みが増すことで、トルクレンチで正確に締め付けたつもりでも、実際には必要な締結力が確保できていない場合もあります。これもまた、ナットの緩みや脱落の一因になります。

このように、ホイールボルトの接触面は単なる金属の接点ではなく、安全性を支える非常に重要な部分です。見た目よりも機能を優先し、この箇所は必ず塗装せずに作業を進めるべきです。

ハブ接触面を塗るとどうなる？

ハブ接触面、つまりホイールの中心部と車体のハブが接する部分に塗装をしてしまうと、深刻なトラブルを招く可能性があります。ここは車体とホイールが物理的にかみ合い、車両全体の荷重を支えている箇所であり、精密なフィッティングが求められるためです。

この部分に塗装をしてしまうと、塗料の厚みによって本来の金属同士の密着が妨げられます。すると、ホイールが完全にハブに密着しなくなり、わずかなズレやガタつきが発生します。こうした状態で走行すると、振動が起きたり、最悪の場合、ホイールが外れることさえあります。

また、密着が不十分なままボルトで強引に固定した場合、ホイールやハブの部品が変形してしまうおそれもあります。一度でも変形してしまえば、走行性能や安全性に大きな支障が出ることは避けられません。

加えて、走行中の高温や湿気、ブレーキダストなどにより、塗装が剥がれてサビの原因になることも考えられます。これによって、次回の脱着時にホイールが固着してしまい、外れにくくなるといった整備上の問題も発生します。

つまり、ハブ接触面は見えない部分であっても、塗装してはならない「最重要ポイント」のひとつです。塗料が入り込まないよう、作業前にしっかりとマスキングを施し、金属面をむき出しの状態で維持することが、車の安全性とパフォーマンスを守る基本です。

マスキングで守るべき箇所とは

Aluminum wheels and masking tape

ホイール塗装を行う際には、必ず「マスキング」という工程が必要になります。マスキングとは、塗料が付着してはいけない部分を保護する作業のことで、これを怠ると安全面・機能面で深刻な問題が生じます。

具体的にマスキングで守るべき箇所は、以下の3つです。まず、前述の通り「ホイールボルトやナットが当たる座面」です。この部分は金属同士が直接圧着して機能を果たす構造になっており、塗装が介在するとボルトの緩みを引き起こす原因になります。

次に「ハブとの接触面」も必ずマスキングを行わなければなりません。この箇所は車体とホイールの力を受け止める役割を担っており、塗装による厚みの変化が密着性を損ないます。

最後に「エアバルブ周辺」も重要なマスキング対象です。ここに塗料がかかると、空気圧の調整がしにくくなるだけでなく、エア漏れやパッキンの劣化を引き起こす可能性もあります。加えて、ホイールナットの穴やバルブホールには新聞紙やスポンジを詰めるなど、細かい箇所への配慮も必要です。

これらの部分を適切にマスキングしておくことで、見た目の仕上がりだけでなく、ホイール本来の性能と安全性を保つことができます。マスキングを丁寧に行うことは、DIY塗装のクオリティを左右する最も重要な工程の一つといえるでしょう。

塗装の剥がれが招く事故リスク

ホイール塗装が適切に行われていない場合、見た目の問題だけでなく、重大な事故につながるリスクもあります。中でも「塗装の剥がれ」は、意外にも走行中の安全性に深く関わっています。

例えば、ホイールナットやボルトの接触面に塗装をしてしまうと、締め付け時に塗膜が圧力で割れたり潰れたりします。すると、その部分にごくわずかな隙間が生まれ、振動や温度変化を繰り返すことでボルトが徐々に緩むことがあります。ナットが緩むと、ホイールが確実に固定されなくなり、最悪の場合、走行中にホイールが外れてしまう危険があります。

これは特に高速走行時や段差を越えた直後に起こりやすく、タイヤが車体から外れて他車を巻き込む事故に発展する可能性も否定できません。たとえ軽度の剥がれであっても、車両全体のバランスに影響を与え、ブレや振動を感じるようになることもあります。

また、塗装が不十分なまま放置されると、雨や湿気、ブレーキダストが塗膜の隙間から入り込み、内部の腐食やサビを引き起こすこともあります。こうなると、ホイール自体の強度が低下し、ひび割れや破損を招く恐れも出てきます。

安全に走行するためには、美観を保つだけでなく、機能を損なわない正しい塗装が欠かせません。塗装作業においては、単に「色を塗る」ことだけを考えるのではなく、「どこに塗るべきではないか」「どう塗れば長持ちするか」を理解して取り組むことが求められます。

DIY塗装でも避けるべき注意点

DIYでホイール塗装を行う場合、手軽さやコスト面でのメリットがある一方、いくつかの重要な注意点を守らなければ、失敗やトラブルにつながる可能性が高まります。特に塗装初心者の方は、工程ごとのリスクを把握してから作業に取りかかることが大切です。

まず最も重要なのは「下地処理」です。塗装前にホイールの表面をしっかり洗浄し、脱脂しておかないと、塗料がうまく密着せず、すぐに剥がれてしまうことがあります。洗い残しの油分や汚れがあると、いくら上から高品質な塗料を塗っても意味がありません。さらに、耐水ペーパーで足付け処理をしておくことで、塗料の定着力が格段に高まります。

次に注意すべきは「塗装する場所の環境」です。湿度が高い日や風が強い場所では、乾燥不良やゴミの混入が起こりやすく、仕上がりが汚くなってしまいます。また、冬場の低温環境では塗料の硬化が不十分となり、耐久性に影響を及ぼします。こうした条件下では、焦らずに日を改める判断も必要です。

そして、塗装する箇所にも気を配る必要があります。前述のように、ホイールボルトの座面やハブの接触面に塗装してしまうと、走行中の緩みや事故の原因になるため、必ずマスキングを行いましょう。細かい部分まで丁寧に養生することで、不要な場所への塗料の付着を防げます。

最後に、塗料を一度に厚塗りしてしまうのは避けるべきです。塗膜が厚くなりすぎると乾燥に時間がかかるだけでなく、垂れたりムラになったりする可能性もあります。スプレーを使用する際は、少し離れた位置から薄く何度も重ねるように心がけると、均一で美しい仕上がりが得られます。

このように、DIYでホイールを塗装する際は、技術的なコツだけでなく、安全面への配慮も忘れてはなりません。正しい知識と準備があってこそ、納得のいく仕上がりが実現できます。

ホイール塗装で塗ってはいけない理由とは

Wheel Spray Big Red Batten

・ボディー用のスプレー缶でホイールに塗ってもよい？
・ホイール塗装タイヤつけたままでも可能？
・ホイール塗装剥がれないための準備と工程
・ホイール塗装 5,000円で仕上げる方法と注意点
・ホイール塗装料金の目安と業者比較
・ホイール塗装焼き付けの特徴とメリット
・ホイール塗装ミッチャクロンの効果と使い方
・ホイール塗装スプレー選びのポイント
・ホイール塗装ラバースプレーの使い方と注意点
・アルミホイール塗装専門店の対応内容とは
・ホイール塗装持ち込み時の流れと相場
・総括：ホイール塗装で塗ってはいけない箇所

ボディー用のスプレー缶でホイールに塗ってもよい？

ボディー用のスプレー缶をホイールの塗装に使うのは、基本的におすすめできません。なぜなら、車のボディとホイールでは使用環境がまったく異なり、求められる塗料の性能にも大きな差があるからです。

ボディー用スプレーは、主に紫外線や雨などに対する耐性を備えているものの、ホイールが直面する高温や衝撃、ブレーキダストといった過酷な条件には対応していません。特に走行中、ホイール周辺はブレーキの熱でかなりの高温になります。ボディー用塗料では、この温度変化に耐えきれず、塗膜がひび割れたり剥がれたりする恐れがあります。

さらに、塗料の密着性も重要なポイントです。ホイールはアルミやスチールといった金属素材が使われており、これらにしっかり密着するよう設計された専用塗料が必要になります。ボディー用スプレーはこうした金属表面への定着力が弱く、下地処理を入念に行っても、すぐに浮きや剥がれが起こる可能性があります。

また、外見の美しさだけでなく、安全性も無視できません。塗装の剥がれがホイールボルト周辺やハブ部分で起これば、ナットの緩みや振動による不具合を引き起こすリスクもあります。

このように、安価だからといってボディー用スプレーでホイールを塗装するのは、見た目だけでなく安全面でも問題があります。ホイールには、専用に設計された高耐久性のスプレー塗料を選ぶことが大前提です。

ホイール塗装タイヤつけたままでも可能？

ホイール塗装を行う際に「タイヤを付けたままで作業できるか」は、多くの人が気にするポイントです。結論から言えば、タイヤを取り外さなくてもホイール塗装は可能ですが、いくつかの工夫と注意が必要です。

まず、最大の課題は「塗装が不要な部分に塗料が付着しないようにすること」です。タイヤを装着したまま塗装する場合、ホイールだけでなくタイヤのゴム部分、ブレーキ周り、エアバルブなど、塗ってはいけない箇所がすぐ隣にあります。そこで活用されるのが、マスキングテープや新聞紙、さらにはトランプや名刺サイズのカードなどをタイヤとホイールの境目に挟む方法です。これにより、タイヤへの塗料の付着を防ぎつつ、塗装範囲をしっかり確保できます。

作業の際には、中性洗剤を使ってホイールをきれいに洗浄し、表面の油分や汚れを落とすことが重要です。その後、シリコンオフで脱脂し、耐水ペーパーで軽く表面を研磨することで、塗料の密着性を高めます。この準備を怠ると、せっかく塗装してもすぐに剥がれてしまう可能性があります。

塗料にはスプレータイプのものが便利ですが、風通しのよい屋外や換気の良いガレージで作業することをおすすめします。塗料の臭いや飛散の影響を抑えるためです。

とはいえ、完全な仕上がりを求めるのであれば、タイヤを外してホイール単体で塗装する方が理想的です。細部まで丁寧に作業ができ、養生も簡単になるため、より美しく長持ちする仕上がりになります。ただし、工具や設備が揃っていない場合は、タイヤをつけたままでも十分に満足できる仕上がりにすることは可能です。

ホイール塗装剥がれないための準備と工程

Wheels: Paint is peeling off

ホイール塗装を剥がれにくくするためには、塗装そのものよりも事前の下準備が極めて重要です。実際、多くの失敗例は「塗り方」よりも「塗る前の準備不足」に原因があります。

最初に行うべきは、ホイール表面の洗浄です。中性洗剤とスポンジを使って、ブレーキダストや油分、泥などをしっかり落としましょう。その後は、シリコンオフなどの脱脂剤でさらに表面を整えます。これにより、塗料が素材にしっかり密着する土台が作られます。

次に「足付け」という作業を行います。これは耐水ペーパー（800〜1000番）で表面に細かい傷をつける工程で、塗料が食いつきやすくなり、塗膜が剥がれにくくなります。滑らかな金属面には塗料が定着しにくいため、このひと手間が仕上がりに大きく影響します。

その後、プライマーや「ミッチャクロン」といった密着性を高める下地剤をスプレーします。透明で目立ちませんが、これを使うかどうかで塗膜の耐久性に大きな差が出ます。乾燥後は、ホイール専用の塗料をスプレーで薄く、均一に何度か重ね塗りすることがポイントです。一度に厚く塗ると垂れやムラの原因になるため、必ず時間を置いて重ねていくことが重要です。

最後に、クリアコートをかけて塗装を保護します。これにより、紫外線や飛び石、ブレーキダストから塗膜を守ることができ、美しさも長持ちします。

このように、塗装の密着性を高めるための工程を正しく踏むことで、剥がれにくく耐久性のあるホイール塗装を実現できます。作業時間や手間はかかりますが、その分しっかりとした仕上がりが得られるため、手抜きせず丁寧に進めることが大切です。

ホイール塗装 5,000円で仕上げる方法と注意点

DIYでホイール塗装を行う場合、5,000円という限られた予算でも、工夫次第で十分に塗装を完了させることが可能です。ただし、そのためには「必要最低限の材料を揃えること」と「工程を正確にこなすこと」が求められます。

まず、材料費を抑えるには、以下のようなアイテムをホームセンターやネット通販で安価に入手するとよいでしょう。必要なものは、ホイール用スプレー塗料（1,000〜1,500円）、脱脂剤やシリコンオフ（500円前後）、耐水ペーパー（300円程度）、マスキングテープ（100〜200円）、新聞紙などの養生材（家にあるもので代用可）です。これらを合計しても、うまく選べば5,000円以内に収めることができます。

作業において大切なのは、下地処理の手を抜かないことです。洗浄や脱脂、足付け（表面を磨く作業）を丁寧に行わなければ、塗料がすぐに剥がれてしまいます。また、塗料は一度に厚く塗らず、薄く何度も重ね塗りすることでムラや垂れを防げます。これにより、見た目にも美しい仕上がりが得られます。

ただし、安価なスプレー塗料は耐久性がやや劣る場合があります。長期間の使用には不向きなこともあるため、半年〜1年ごとに再塗装を前提としたメンテナンス意識が必要です。また、ラバースプレーのように剥がせる塗料を選べば、失敗してもやり直しが効くため、初心者には適した選択肢となります。

このように、5,000円という予算内でも、必要な工程と注意点を押さえておけば、安全で満足度の高いDIYホイール塗装が実現できます。時間と手間を惜しまないことが、仕上がりを左右する最大のポイントです。

ホイール塗装料金の目安と業者比較

ホイール塗装を専門業者に依頼した場合、その料金は塗装方法やホイールの状態、サイズ、仕上げの種類などによって大きく異なります。相場感を把握しておくことで、無理のない範囲で適切な選択ができるようになります。

一般的な業者におけるホイール塗装の価格は、1本あたり15,000円前後が基準とされています。ただし、これは通常のウレタン塗装を施した場合の目安であり、特殊カラーやメタリック、パール系などの塗装では1本20,000円を超えることもあります。一方で、格安を売りにする業者では、6,000〜8,000円程度で対応してくれるケースもありますが、仕上がりや耐久性にばらつきがある可能性があるため、実績や評判を必ず確認しておきましょう。

また、ホイールのインチ数によって価格が変動するのも特徴です。17インチ以上になると、1インチごとに1,000〜3,000円程度の追加料金が発生することが一般的です。さらに、ガリ傷やサビの補修を含めた再塗装の場合は、追加作業として別途費用がかかることもあります。

業者を比較する際は、料金だけで判断するのではなく、塗装の種類、保証内容、施工実績、納期なども含めて検討することが重要です。また、ホイール単体での持ち込みが可能かどうかも確認しておくと、脱着工賃を節約できる可能性があります。

こうして比較検討を行えば、自分の希望や予算に応じた最適な業者を選ぶことができます。価格が安いだけで飛びつくのではなく、総合的なバランスを見る視点を持つことが大切です。

ホイール塗装焼き付けの特徴とメリット

Shiny wheels

ホイール塗装の中でも特に耐久性と仕上がりの美しさに優れる方法が「焼き付け塗装（パウダーコート）」です。この方法は通常のウレタン塗装と異なり、粉末状の塗料を静電気で付着させ、高温で焼き固めるという特殊な工程で行われます。

まず、この塗装方法の最大の特徴は「非常に強い塗膜」が得られる点です。耐候性、耐熱性、耐薬品性に優れ、過酷な環境でも長期間その性能を維持できます。例えば、ブレーキの熱や飛び石、泥はねといったダメージに対しても塗膜がほとんど傷まず、サビの発生も防ぎやすくなります。これにより、塗り直しの頻度を大幅に減らすことができます。

また、色ムラができにくく、光沢やマット感といった質感の均一性も高いため、見た目の完成度が非常に高くなります。ホイール全体に美しく、厚みのある塗膜を形成できることから、カスタム性を重視する人にも人気があります。

一方で、デメリットもあります。たとえば、焼き付けには180〜200度ほどの高温が必要なため、金属以外の素材やタイヤがついた状態では施工できません。そのため、ホイール単体で業者に預ける必要があり、脱着・運搬の手間がかかる場合があります。また、部分補修が難しく、塗装をやり直す場合は全体を再度塗装しなければならないこともあるため、小さな傷の補修にはやや不向きです。

費用については、サイズにもよりますが4本で30,000〜50,000円が一般的です。コストはウレタン塗装に比べてやや高めですが、それを上回る耐久性と美観を得られる点が魅力といえるでしょう。

このように、焼き付け塗装は一度の施工で長持ちさせたい方、また高級感やプロ品質の仕上がりを求める方に特に適しています。施工業者を選ぶ際には、焼き付け塗装の実績があるか、どの塗料を使っているかなど、事前に確認することをおすすめします。

ホイール塗装ミッチャクロンの効果と使い方

ホイール塗装において「ミッチャクロン」は、塗料の密着性を高めるために非常に効果的な下地材として知られています。特に金属やプラスチックなど、塗料が滑りやすく密着しづらい素材に対して使われるケースが多く、ホイールのようなアルミやスチール製パーツにも相性抜群です。

塗装を長持ちさせたいなら、このミッチャクロンの使用を省略すべきではありません。たとえば、しっかり下地処理をしたつもりでも、下地材がないままだと走行中の温度変化や振動によって塗膜が浮いたり、剥がれたりする可能性があります。ミッチャクロンを使うことで、塗料とホイール素材との「接着力」を高め、外部からの影響を受けにくくします。

使い方は比較的シンプルですが、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず、塗布前にはホイール表面の脱脂と洗浄を念入りに行いましょう。汚れや油分が残っていると、せっかくの下地材も効果を発揮できません。

塗布する際は、20cm程度の距離を保ちながら、軽く全体にスプレーするのが基本です。厚塗りは避け、2回ほど重ね塗りする程度で十分です。乾燥時間は10分前後が目安ですが、気温や湿度に応じて調整しましょう。完全に乾いたことを確認してから塗装に入ることで、最も効果を発揮します。

なお、ミッチャクロンは透明なため、どこに塗ったかがわかりにくいのが難点です。塗布中は塗りムラにならないよう、手元のスプレーの動きを一定に保つことが大切です。

このように、ミッチャクロンを活用することで、塗料がしっかり定着し、剥がれにくく、耐久性に優れたホイール塗装を実現できます。見た目を美しく仕上げたい場合だけでなく、長期間メンテナンスの手間を減らしたい人にも必須のアイテムです。

ホイール塗装スプレー選びのポイント

ホイール塗装を成功させるためには、「どんなスプレー塗料を使うか」が仕上がりと耐久性に直結します。スプレーの選定を間違えると、たとえ作業工程が丁寧でも、すぐに剥がれたり色あせたりしてしまうため、スプレー選びは最初の重要なステップです。

まず注目したいのが「ホイール専用スプレー」の表記があるかどうかです。車体用や汎用塗料では、ホイールがさらされる高温やブレーキダスト、水・油分などの過酷な環境には耐えられません。専用スプレーであれば、耐熱性や耐摩耗性が考慮されており、日常の使用にも十分対応できます。

次に、塗料の種類をチェックしましょう。一般的なアクリル系は乾きが早く扱いやすいですが、ウレタン系の方が耐久性と仕上がりに優れています。特に耐候性や光沢を重視する場合は、ウレタン系塗料を選ぶとよいでしょう。価格はやや高めになりますが、長期的に見れば再塗装の手間を減らせるメリットがあります。

カラーも選び方に注意が必要です。見た目を美しく仕上げたいなら、サフェーサー（下地用塗料）との色の相性を考慮しましょう。たとえば、黒系やマット系はムラが目立ちやすく、丁寧な重ね塗りが必要です。光沢系やメタリック系は厚塗りになりやすいので、薄く何度も吹き重ねることを前提に塗料を選ぶと安心です。

加えて、スプレーの噴射口も見逃せないポイントです。細かく均一に霧状で噴射できるタイプの方が、ムラになりにくく初心者にも扱いやすい傾向があります。レビューなどで噴射性能が高評価の製品を選ぶのも一つの手段です。

このように、スプレー選びは「用途に合った性能」と「塗りやすさ」の両方を考慮する必要があります。パッケージのスペックだけでなく、実際の塗装状況を想定して選ぶことで、納得のいくホイール塗装が可能になります。

ホイール塗装ラバースプレーの使い方と注意点

ラバースプレーは、DIY初心者でも比較的扱いやすく、手軽にホイールのカラーチェンジができる塗料として人気があります。特に「失敗しても剥がせる」という点が大きな魅力で、塗装に慣れていない人でも安心してチャレンジできる選択肢です。

ラバースプレーの使い方は通常のスプレー塗料と似ていますが、塗膜がゴム状に仕上がるため、いくつかの特有のポイントがあります。まず、ホイールを塗る前に洗浄と脱脂を徹底しましょう。表面に汚れや油分があると、塗料が密着せず、塗った直後から剥がれてしまうこともあります。

塗布の際は、少し離れた距離から薄く何度も重ね塗りするのが基本です。ラバースプレーは厚みのある塗膜を形成することで、後から綺麗に剥がせる性質があります。そのため、1回の塗装では不十分で、最低でも4〜5回は重ねる必要があります。乾燥時間も意識し、重ねるごとに10〜15分の間隔を取ることで、均一で丈夫な塗膜ができます。

ただし、ラバースプレーにも注意点があります。まず、高温に弱いという性質があるため、ブレーキの熱が直接伝わるような場所では、塗膜が軟化して剥がれやすくなることがあります。また、経年劣化により粘着性が出てくることもあり、長期間の使用には向いていない面もあります。

さらに、細かい部分まできれいに剥がしたい場合は、塗膜を厚めに仕上げる必要があります。塗膜が薄すぎると、剥がす際にちぎれやすく、時間がかかってしまうことがあります。

このように、ラバースプレーは扱いやすく便利な塗料ですが、仕上がりと耐久性のバランスを考えて使うことが大切です。気軽に色を変えたい、短期間のカスタムを楽しみたいという方には、最適な塗装方法と言えるでしょう。

アルミホイール塗装専門店の対応内容とは

アルミホイールの塗装を専門店に依頼することで、DIYでは難しい高精度かつ高耐久な仕上がりが期待できます。専門店は単に「色を塗る」だけでなく、素材や状態に応じた下処理から、塗装後の仕上げに至るまで、プロならではの多彩な工程を提供してくれます。

まず最初に行われるのがホイールの状態チェックです。ここでキズや歪み、腐食の有無などを確認し、必要に応じて修復作業が追加されます。例えば、ガリ傷がある場合はパテ埋めや研磨によって表面を滑らかに整えたうえで塗装が施されます。ひび割れやクラックがある場合は、修理不可と判断されることもありますが、軽微なものであれば補修対応してくれる店舗もあります。

塗装の工程には、ウレタン塗装やパウダーコート（焼き付け塗装）などの選択肢があり、希望する耐久性や見た目に応じて選ぶことが可能です。パウダーコートは耐久性に優れていますが、部分補修がしづらいのが難点。ウレタン塗装は色の自由度が高く、細かいカラー調整や部分的な再塗装にも柔軟に対応できます。

また、専門店ではマットブラックやメタリック、パール、ハイパーシルバーなど、豊富なカラーバリエーションに対応しており、自分の車のボディカラーに合わせたオリジナルカラーを提案してくれるケースもあります。

さらに、塗装前の脱着やタイヤの組み換え、バランス取り、ナットのトルク管理といった細かな作業も一貫して対応できる店舗であれば、車両を預けるだけでトータルメンテナンスを任せることができます。アフターケアとして、再塗装の保証やメンテナンスのアドバイスを行っている店舗もあるため、仕上がり後の安心感も大きなメリットです。

このように、アルミホイール塗装の専門店では、見た目の向上だけでなく、安全性と耐久性を両立する高品質な施工が可能です。仕上がりにこだわるなら、やはり専門業者に依頼する価値は十分にあると言えるでしょう。

ホイール塗装持ち込み時の流れと相場

ホイール塗装を検討している方の中には、「ホイールだけを持ち込んで塗装してもらいたい」と考える人も多いのではないでしょうか。実際、車両ごと預けるよりもコストを抑えやすく、スムーズに塗装依頼できる手段として、持ち込み塗装はよく利用されています。

持ち込みの基本的な流れは、まず事前に専門店へ連絡を取り、ホイールの状態やサイズ、希望する塗装内容を伝えるところから始まります。最近では、メールやLINEでホイールの写真を送って見積もりを出してくれる店舗も多く、遠方からの依頼も可能です。

次に、ホイールを実際に店舗へ持ち込みます。多くの場合、タイヤを外したホイール単体での持ち込みが前提となりますが、中にはタイヤ付きでも対応可能な店舗もあります。その際には、追加でタイヤ脱着や再組み付け、バランス取りの費用が発生することがあるため、事前に確認しておくと安心です。

塗装にかかる日数は、シンプルな単色塗装であれば2～3日程度、特殊カラーや傷修理込みの場合は1週間前後が一般的です。急ぎの場合は、対応可能な店舗を選ぶか、納期に余裕を持ってスケジュールを組むことが大切です。

気になる費用ですが、1本あたりの相場はホイールのサイズや塗装内容によって変動します。標準的な15インチ程度のアルミホイールでウレタン塗装を行う場合、1本あたりおおよそ8,000〜15,000円が目安です。焼き付け塗装やパウダーコートを希望する場合は、1本あたり20,000円を超えることもあります。4本まとめて依頼することで割引が適用されることもあるため、セットでの相談がおすすめです。

なお、持ち込み塗装には一部保証がつかない場合もあります。とくに中古ホイールの場合、内部の腐食や過去の修理跡による不具合があると、塗装の定着に影響を及ぼす可能性があるため、事前に確認しておくべきです。

このように、持ち込みによるホイール塗装は、コストを抑えながら専門的な仕上がりを得る手段として非常に有効です。ただし、事前準備と確認を怠らず、信頼できる業者を選ぶことが成功へのカギとなります。